<仙台中2自殺>教育行政、瀬戸際に

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仙台市議会市民教育委員会で体罰を報告し、謝罪する大越教育長=19日午後2時ごろ、市役所

 仙台市青葉区の市立中2年の男子生徒(13)が自殺した問題は19日、生徒によるいじめの可能性に加え、教諭らによる体罰が自殺の一因となった疑いが浮上した。いじめの存在を認めなかった当初の説明を国の指導で一変させ、体罰も自ら把握できなかった市教委と学校。仙台の教育行政は瀬戸際にある。

 「今、私は精いっぱいです…」

 19日の市議会市民教育委員会で体罰を報告後、報道陣に責任の取り方を問われた大越裕光教育長は疲れ切った様子で、市教委の取り組みへの理解を求めた。

 男子生徒の自殺後、市教委は学校と共に全校生徒にアンケートを実施し、教員らからも自殺につながる要因などを聞き取りした。だが、体罰は18日夜の保護者からの情報で発覚した。

 「自ら報告しなかったこと自体、全く許せない気持ちでいっぱいだ」。大越教育長は体罰を加えた教諭2人への憤りをあらわにした一方、「体罰まで想定できなかった。調査方法が十分だったかは分からない」と対応の不備も認めた。

 委員会後に記者会見した市教委幹部らは「校長は18日夜に電話を受けるまで全く把握していなかった」「(教諭2人が)失念していたのか、言い出そうと思って言えなかったのか、言わずに済むと思っていたのか確認したい」と校内統治の問題点を指摘した。

 市長就任前に2年間、市教育長を務めた奥山恵美子市長は市教委の独立性を重視する姿勢を貫いてきた。19日も報道陣に「私が教育長の時代から、体罰はあってはならないと強く訴えてきたが、浸透していなかった」と反省を口にしたが、「現行の教育長の下で調査を進めるべきだ」と、現時点で大越教育長を罷免しない考えを強調した。

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