河北春秋(5/20):「監視でテロは防げない。むしろ状況は悪化…

 「監視でテロは防げない。むしろ状況は悪化している」。米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン氏は、米政府による個人情報収集活動の実態を暴いた理由をこう語る。米出身ジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏が著書に書いている▼この本はスノーデン氏から秘密資料の提供を受けて著された。米国が諜報(ちょうほう)活動をやめないのは「世界そのものを把握し続けられる」からであり、「権力は極限まで大きくなる」ことに気付いたためだと説く。何とおぞましい権力的野心だろう▼「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の採決がきのう、衆院法務委員会で強行された。法の成立に執念を見せている安倍政権。これで一つのヤマを越し、特定秘密保護法の施行と共に国による監視システムの確立へひた走るように映る▼「疾走」を他国はどうみるか。4年前、国連はドイツとブラジルから共同提案された、オンライン上のプライバシーを基本的人権とする決議を採択。監視社会に対する懸念は世界的に高まっている▼スノーデン氏はかつて在日米軍三沢基地(三沢市)で通信傍受の訓練を受けていたと言われ、米が日本に情報収集への協力を求めていた実情を知る。日本国内まで監視対象となる世界? 胸がざわつく。(2017.5.20)

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