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「監視社会許さない」 「共謀罪」採決強行、県民から反発の声

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「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に抗議する住民団体のメンバーたち=19日、山都町

 「共謀罪」の趣旨を含む「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が19日、衆院法務委員会で可決された。共謀罪が成立すれば、犯罪集団にとどまらず、一般人も監視対象になり得るとの批判がある中、熊本県内の市民団体などから反発する声が上がった。

 熊本県上益城郡山都町では同日夕、国道218号沿いで、住民有志が「内心の自由を奪う」「話し合ったら罪!?」と書いた横断幕などを掲げた。改正案に反対の声を上げたのは、護憲団体「くらしに憲法を活かす町民会議」など5団体の約20人。「ものが言えない国民監視社会になる」と訴えた。同会議の田上博之代表幹事(62)は「国民が警戒を強めている。反対の声を上げ続けたい」と力を込めた。

 「平和憲法を守る県民会議」の福島将美議長(83)=熊本市=の脳裏には、戦前戦中を過ごした台湾で憲兵が威張っていた記憶がよみがえる。「共謀罪を理由に捜査範囲がどんどん広がるのではないか」

 福島議長は治安維持法による人権侵害が続いた終戦までの日本を踏まえ、「歴史の教訓に学ぶべきだ」と訴えた。また、県立大の中島熙八郎名誉教授(70)=熊本市=は「治安維持法に似た法律が、国民に理解されないまま可決されるのは戦前のよう」と語る。

 「権力者が自分の意に沿わない人を取り締まる恐れがある」と指摘するのは、あまくさ9条の会事務局長の生駒研二さん(65)=天草市。沖縄で普天間飛行場移設に反対する運動のリーダーが長期勾留された事件を挙げ、「反原発や人権問題の市民活動家が萎縮するのでは」と心配する。

 県労連の楳本光男議長(58)=熊本市=は「政府は法案を説明できていない。国民に理解が広がらないまま可決するのは疑問」と批判。県労連などでつくる市民団体は21日、改正案の問題点を市民に理解してもらい、廃案を目指そうと、熊本市中心部をデモ行進する予定だ。(臼杵大介、飯村直亮、山口尚久)

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