《学びのカタチ》1人親家庭 教育費 悩む母親

画像長男と遊ぶ美香さん。「シングルマザーだけど、子どもをしっかり育てたい」と話す

 「自分は進学を諦めたが、子どもには好きな道を選んでほしい」。群馬県の北毛地区に住む美香さん(24)=仮名=は、2歳の長男を遊ばせながらつぶやいた。

■「安定収入を」

 6歳ごろから父子家庭で育った。中学から進んだ私立高校は「家庭の事情で」中退。17歳で通信制高校に入り直し、学校の紹介で入所した自立援助ホームから通学した。アルバイトや派遣の仕事を掛け持ち、学費は自分で賄った。

 経済的理由で、志していた専門学校への進学は諦めた。職業訓練校に在籍中、妊娠が分かり交際相手と入籍したが、程なくして別居し離婚。現在、同居する父に援助を求めるのは難しく、元夫からの養育費と児童扶養手当で生活している。

 「子どもの教育のためには安定収入を」と、長男が保育園に入り次第、就職活動をする予定だ。「看護助手として働きながら学校に通い、いずれ看護師になりたい」と思い描く。

 県が昨年度実施した1人親家庭の調査によると、母子家庭で世帯年収300万円未満の割合は81.5%。高崎健康福祉大の石坂公俊講師は「日本は家族依存型社会で、教育費の家計負担の割合が高い。1人親家庭の増加と、子育て世代の所得減によって、教育格差は広がっている」と強調する。

■3足のわらじ

 北毛地区で母と長女(5)と暮らすゆかりさん(30)=仮名=はこの春、前橋清陵高通信制を卒業した。中学から進んだ地元の高校は校則が厳しく、2年で中退。出産後間もなく夫と離婚し、子どもを養うには安定した仕事、それ以前に高卒以上の学歴が必要だと痛感した。

 パートと子育て、学業の「3足のわらじ」は大変だったが、順調に単位を取り2年で卒業。娘には「ママ、今日は学校だからね」と伝えて出掛け、自ら学ぶ姿を見せられたと思っている。

 長年の目標は達成したが、新たな悩みが出てきた。今のパートは時給が高く、勤務時間の融通も利く。「子どもが小さいうちに教育費をためたい。でも、今より待遇がいい、正社員の職が見つかるかどうか…」。母の模索は続く。

◎奨学金拡充を期待

 県の調査で、母子家庭が期待する学習支援は「奨学金などの拡充」が59.7%、「無料や安価で教えてくれる場所」が38.3%、「学習塾の費用補助」が31・6%を占めた(複数回答)。奨学金の拡充は、高校以上の子どもがいる家庭に限ると79・3%が必要としている。

【つぶやきから】 結衣

 子ども食堂は、通っている子の居場所づくりだけでなく、保護者の支えにもなっていると感じました。運営者が通っている子どもに対してかける言葉を親も聞くことで、家では見せない新たな一面に気付けたり、家庭内の会話も増えるきっかけになると思います。

匿名希望

 家庭の事情で、幼い息子を連れて高崎に移り住み、生活保護と最近始めたパートの給料で暮らしています。子ども食堂のことは知りませんでしたが、食費の足しになるのならありがたいです。

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