「レベルの高さを知った」― 最速154キロホークスドラ2左腕にプロの洗礼

プロの洗礼を浴びた。ソフトバンク期待のドラフト2位ルーキー・古谷優人投手。最速154キロを誇る左腕が、先輩にプロの厳しさを痛感させられた。

ソフトバンク・古谷優人【写真:福谷佑介】

ドラフト2位ルーキー古谷が痛感したプロの力

 プロの洗礼を浴びた。ソフトバンク期待のドラフト2位ルーキー・古谷優人投手。最速154キロを誇る左腕が、先輩にプロの厳しさを痛感させられた。

 20日、ソフトバンク2軍の本拠地「タマホームスタジアム筑後」では少し珍しい試合が組まれていた。ホークス2軍と3軍による戦い。今季、3軍で四国アイランドリーグplusとの交流戦で5試合に登板している古谷にとって、同じチームとはいえ、プロ入り後初めてNPBの選手との対戦。どこまで通用するか、腕試しの一戦だった。

「力みましたね。アピールしたいと思って」。2回に3軍の2番手としてマウンドに上がった左腕。先頭の塚田正義に四球を与えると、1死から痛烈な一打を浴びた。打席には1軍で通算24本塁打の実績のある江川智晃。2ボール1ストライクからの4球目。147キロの真っすぐを捉えられ、中堅の頭上を越える適時二塁打になった。

 3イニングのみだったこの日のゲーム。両チームで唯一、古谷だけが失点を喫した。古谷との対戦のために、30歳の江川は出場した。相手が2軍とはいえ、ソフトバンクの2軍の層の厚さは知られるところで、左腕は「最近独立リーグとやっていて、抑えられていたので自信がついてきていた。江川さんへのボールは独立リーグ相手ならファール。プロのレベルの高さを知りました」と語った。

落ち込む様子なし、「投げてみて楽しかった」

「球速はいつもと一緒くらいでしたが、力んでいた分、質が悪かった」というこの日の最速は147キロ。「プロの打者は、甘い球を1球で仕留めてくる。失投を逃してはくれない。失投を減らしていかないといけない」と、学んだものは大きかったようだ。

 それでも、落ち込む様子はなし。「投げてみて、楽しかったです」と笑顔すらも浮かんだ。登るべき山の高さを知ることが出来て、喜んでいるようだった。

 24日の愛媛マンダリンパイレーツ戦(タマスタ筑後)でも先発予定の古谷。将来性豊かな左腕にとって、成長の糧となる1日になったはずだ。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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