霊柩車、無許可で営業 5業者を書類送検へ 県警

 無許可の霊柩車(れいきゅうしゃ)で遺体を運んだなどとして、県警交通捜査課と川崎臨港署が、貨物自動車運送事業法違反(無許可経営など)の疑いで、県内や東京都内の葬祭業者5社とその経営者ら5人を書類送検する方針を固めたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。このうち2社と経営者2人をすでに書類送検しており、近日中にも残る3社と経営者3人も書類送検する見通し。許可を得ていない、いわゆる“白ナンバー”の霊柩車の摘発は全国でも珍しく、県内では初めてとみられる。

 捜査関係者によると、5社は2015年11月ごろから16年12月ごろまでの間、県内や都内で許可を得ずに、自家用車や、自家用車を改造した患者運搬用の特種用途自動車を霊柩車として使用、遺体を運んだ疑いが持たれている。

 まったく許可を受けずに運行していた業者がある一方、所有する霊柩車のうちの大半で許可を得ていながら、一部の車両を追加登録などしないまま無許可で霊柩車として運行していた業者もあった。

 業者の中には、利用者に搬送料金としては請求していなくても、他の葬祭費用と合計したパック料金として費用を請求、不正に利益を得ていたケースもあるとみて捜査を進めている。

 14年夏ごろに川崎市から「市営の火葬場に白ナンバーの霊柩車が出入りしている」などと情報が寄せられ、県警が捜査していた。

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