“今世紀最高の記録”も 驚異の奪三振、楽天・則本が射程に捉える偉業とは

楽天の則本昂大が25日のオリックス戦に先発し、8回を投げて10奪三振を奪った。これで6試合連続2桁奪三振をマーク。野茂英雄氏の持つ日本記録に並んだ。

楽天・則本昂大【写真:荒川祐史】

野茂英雄氏の日本記録に並ぶ6試合連続2桁Kをマークした則本

 楽天の則本昂大が25日のオリックス戦に先発し、8回を投げて10奪三振を奪った。これで6試合連続2桁奪三振をマーク。野茂英雄氏の持つ日本記録に並んだ。

○野茂英雄氏の記録(1991年、近鉄)
4月7日 11三振(日本ハム戦 9回完投自責4●)開幕戦
4月14日 10三振(ロッテ戦 8回完投自責5●)
4月20日 10三振(西武戦 9回完投自責点2○)
4月27日 10三振(オリックス戦 9回完投自責3○)
5月4日 10三振(西武戦 6回自責9●)
5月9日 10三振(日本ハム戦 8回完投自責5●)

○則本昂大の記録(2017年、楽天、継続中)
4月19日 10三振(西武戦 8回自責3、勝敗付かず)
4月26日 10三振(ロッテ戦 7回自責1○)
5月3日 12三振(オリックス戦 8回自責2○)
5月10日 12三振(ロッテ戦 9回完封○)
5月17日 12三振(日本ハム戦 7回自責5○)
5月25日 10三振(オリックス戦 8回自責点1〇)

○期間中の成績
野茂英雄 6試合2勝4敗、49回61奪三振、自責28、防御率4.13
則本昂大 6試合5勝0敗、45回66奪三振、自責12、防御率1.77

 則本の方が投球内容ははるかに良い。単に奪三振が多かっただけでなく、エースの働きをしたと言えよう。

メジャーでは8試合連続が最高、則本が射程に捉える様々な偉業

 また次回登板で、則本は7試合連続のNPB新記録に挑戦する。

 MLBでは、ボストン・レッドソックス、ペドロ・マルチネスによる8試合連続(8/19-9/17)が最多。何と、マルチネスは同じシーズンに7試合連続(4/15-5/18)も記録している。

 今季の則本昂大は8試合、58回を投げて78奪三振。このペースなら4年連続になる200奪三振を軽くクリアしそうだ。連続シーズン200奪三振は、過去には金田正一が14年連続、江夏豊が7年連続を記録しているが、野茂英雄がデビューから4年連続で記録して以降は、誰も達成していない。今世紀ではもちろん最高の記録となる。

 シーズンの2桁奪三振回数は1990年、当時近鉄だった野茂英雄の21回が最多。1968年に阪神の江夏が作ったシーズン20回を、新人の年に上回った。則本は今季、あと20回程度先発すると思われるので、この記録を破る可能性も大いにある。

 ちなみに、MLBシーズン2桁奪三振回数記録は1973年のノーラン・ライアン(当時エンゼルス)、1999年のランディ・ジョンソン(当時ダイアモンドバックス)がマークした23回。73年のライアンは、シーズン383奪三振のMLB記録を打ち立てている。

 則本は、奪三振に関する様々な記録を破る可能性が出てきた。目が離せない。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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