韓・高麗製鋼のマレーシア工場、生産能力5%引き上げ

 【マレーシア・ジョホール=黒澤広之】韓国の大手伸線メーカー、高麗製鋼は、マレーシア事業のキスワイヤ・コード社で今春に能力増強を実施し、生産能力を月産1万3200トンへと従来比で約5%引き上げた。

 キスワイヤ・コード・マレーシアは、ジョホール州に複数の工場建屋を展開し、ビードワイヤやホースワイヤ、タイヤコードを造っている。2014年以降は年産12万トンを超える高水準の生産が続き、今春に将来の拡張も見据えて約8万平方メートルの新たな土地を確保。ここに工場を増設し、大型タイヤ向けのコード生産を移管することで能力を増やした。

 キスワイヤ・コード・マレーシアの販売は約9割を輸出が占め、タイをはじめ自動車の需要が大きい海外市場で販路を持つ。母材の棒線は主に日本から調達している。

 高麗製鋼は欧州を本拠とするベカルトに次ぐグローバルな伸線メーカーで、韓国内のほか米国や中国、ベトナム、インドネシア、ハンガリーに生産拠点がある。マレーシア事業にはキスワイヤ・コードのほか、ワイヤロープを造る別会社もある。

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