化学テロ備え連携を確認 鎌倉で陸自や県警など

 2020年東京五輪・パラリンピックを見据えた鎌倉市国民保護訓練が29日、鎌倉武道館(同市山崎)で行われた。柔道の競技中に化学物質が散布されたとの想定で、陸上自衛隊や大船署、市消防本部など約150人が参加し、テロ対策の連携を確認した。実動の市国民保護訓練は初めて。

 道場の観覧席で犯人役が薬品を散布し、10人以上が呼吸困難や意識不明になったとする場面から開始。武道館のスタッフが避難誘導するとともに、通報を受けた消防や自衛隊が被災者を救助。医療関係者が傷病の程度から搬送の優先順位を決める「トリアージ」を行った。

 傷病者の除染のほか、県警のNBC(核・生物・化学)テロ対応専門部隊や自衛隊員が化学物質の確認や除去などを行った=写真。銃器を所持して逃走した犯人役を警察が確保する流れまでを確認した。松尾崇市長は「それぞれが役割を果たすことができた。今後も連携を強めたい」と講評した。

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