地域住民、現地での再建訴える やまゆり専門部会の聴取に

 県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再生構想を議論している県障害者施策審議会の専門部会は29日、横浜市中区で8回目の会合を開き、同園の周辺住民から意見を聴取した。住民は現在地での早期再建を訴えた。

 同園が立地する千木良地区連合自治会の役員2人が出席。長谷川兌(とおる)会長(69)は地区内の各自治会長の総意として「一刻も早く千木良で再生してほしい」とし、「園を中心にグループホームなどがあり、安心できるシステムができている。本体がなくなると入所者も大変なのではないか」と述べた。

 障害者に対する地域の理解は「一朝一夕にできた訳ではない」と強調。1964年の開設当初に多くの地域住民が雇用され、行事などでの交流も盛んに行われてきた歴史を説明した。住民の雇用や周辺商店の活用、災害時に施設を利用できることなども要望した。

 終了後、部会長の堀江まゆみ白梅学園大教授は「入所者が『戻りたい』という選択をする可能性はあるので、千木良に何らかの機能がある拠点(を提言するの)は前提」と述べた。慎重に議論するため、当初6月中としていた報告の取りまとめは、7月以降になるとの見通しも示した。

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