室蘭在住の坪川映画監督に平林記念賞、9日から撮影再開

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 室蘭地方の文芸や地方史研究などで顕著な実績を挙げた個人・団体に贈られる今年の第30回平林記念賞で、本賞に室蘭在住の映画監督、坪川拓史さん(45)が選ばれた。坪川さんは室蘭を中心に西胆振を舞台に撮影中のオムニバス映画「モルエラニの霧の中」の監督、脚本を務めている。受賞を受け「引き続き室蘭のすてきなところを掘り出し、描きたい」と気持ちを新たにしている。6月9日から約1年ぶりに撮影を再開する。

 同賞の選考委員会が今月24日、室蘭市文化センターで開かれた。坪川さんを選んだ理由として、三村美代子委員長(室蘭文化連盟会長)は「大変詩情豊かな作品で、広く公共性を持って地域の活性化に貢献している」と述べた。賞状と副賞10万円、さらに特別支援金として50万円を贈呈する。授賞式は6月20日に室蘭民報社の新社屋で開かれる。

 坪川さんは室蘭生まれ、長万部育ち。2011年(平成23年)、家族とともに東京から室蘭へ移住。まちに魅せられ、この地を舞台にした脚本を書いた。

 14年3月に市民有志による「室蘭映画製作応援団」が設立され、同年5月に撮影がスタート。全7章のうち、昨年5月までに4章の撮影を終え、「第1部」として完成させた。試写会などを通じて、周知を図ってきた。

 映画の特徴として、豪華俳優陣のほか、オーディションで選ばれた市民キャストたちが、準主役級で出演。同応援団のメンバーが資金集めや撮影スタッフとして携わり、まちぐるみで作り上げている。

 「第2部」の撮影は6月9日にクランクイン。12日までの4日間の日程で、第3章「夏の章/桜蘭通り商店街」が撮影される。俳優でコメディアンの小松政夫さんを主役に起用。「飛鳥Ⅱ」の室蘭港入港に合わせた撮影も行われるという。

 坪川さんが手掛けた室蘭市の広報動画「砂がおしえてくれた街」は道内外でのコンクール、コンテストなどで4度の最高賞を受賞。坪川作品は海外でも高く評価され、「モルエラニ―」の完成を待ちわびる期待と応援が高まっている。「皆さんの協力を得ながら頑張りたい」と話している。 (成田真梨子)

【写真=「引き続き室蘭のすてきなところを掘り出し、描きたい」と抱負を語る坪川監督】