羽毛布団再生し寝袋に 防災用で座間市に提供

 寝具製造業「富士新幸」(山梨県都留市)の白須資望社長らが30日、神奈川県の座間市役所を訪れ、粗大ごみの羽毛布団を再利用した寝袋4点を遠藤三紀夫市長に手渡した。同社は資源化事業で市と協定を結んでおり、寝袋は市の防災用品として備蓄される。

 同社は2013年から、粗大ごみとして捨てられた羽毛布団を自治体から回収、羽毛を再生化し寝袋やクッションなどとして製品化している。

 同市からは15年12月から羽毛布団を1枚当たり10円で買い取っていたが、昨年4月に再利用製品の寝袋との交換を盛り込んだ協定を結んだ。

 重さ約1・1キロ以上の羽毛が入った羽毛布団を対象として、200枚で寝袋1点と交換。寝袋は通常1万2千円で販売されており、大きさは縦210センチ、横幅75センチ。再利用された羽毛約300グラムが使われ、ダウンケットやクッションにもなる。

 同市では、昨年度、粗大ごみの羽毛布団761枚を同社に引き渡した。交換対象はこのうち430枚だったが、同社は協定締結後の初の交換だったことなどから、市に4点贈った。

 白須社長は「この事業には捨てられた羽毛に命を吹き込みたいという思いが込められている。活動をもっと知ってもらえれば」と述べた。

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