ボーナスを機に始めたい2つの「投資」

ボーナスを機にぜひとも始めたい2つの「投資」についてご紹介します。

ボーナスを活かして始めたい2つの投資

会社員の人はボーナスをもらえる嬉しい時期。今回は、ボーナスを機にぜひとも始めたい2つの「投資」についてご紹介します。

コロナ禍など不況時に備えておきたい2つのお金

コロナ禍により、将来の先行き不安が拡大しています。

「ワクチンや治療薬ができれば、元に戻るのに……」

果たしてそうでしょうか? 確かにワクチンや治療薬ができれば、少しずつ人の動きが戻り、経済が回復することでしょう。でもそれには時間がかかりますし、第2・第3のウイルスが来た時にはどうなるのでしょうか。

将来何が起こるかわかりません。収入が減る可能性もありますし、仕事がなくなり働きたくても働けないかもしれません。

そんな時に持っておきたいのが、「6カ月から1年分の預貯金(すぐ引き出せるお金)」と「お金を生み出す力(これから増やすお金)」です。

ボーナスの活用はどうすべき?

ボーナスはどのように活用すべきか、という本題に戻りましょう。今手元に、生活費の6カ月から1年分がないのであれば、ボーナスはそのお金に充てるべきでしょう。金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」によれば、貯蓄ゼロ世帯の割合は以下の通りになっています。

金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」より筆者作成

年代によって差がありますが、貯蓄ゼロ世帯は単身で3~4割強、二人以上世帯で2割います。貯蓄ゼロ世帯はもしものために全額預貯金にしておくべきと考えます。

不況時になんといっても頼りになるのが「現預金」です。今回のコロナの影響で収入が大幅に減少している人も少なくないと思いますが、そんな時に貯金があるかないかで、家計状況はまったく違います。いざという時に備えて、生活費の6カ月から1年分は預貯金で確保しておきたいところです。

手元にお金がある人は、「お金を生み出す力」に活用するのがよいと思います。

お金を増やす方法は大きく分けて2つ

お金を増やす方法は、大きく分けて「自分自身」の稼ぎを増やすこと、「お金自身」に働いてもらうことの2つがあります。

自分自身の稼ぎを増やすためには、スキルアップ、人脈形成、健康増進などの自己投資が必要です。スキルアップすれば仕事で結果を出しやすくなり、ベースの給料が上がっていきます。人脈形成は、新たな仕事の獲得に繋がりますし、仲間が見つかればチームとしての成果が向上します。健康増進も、病気やケガをせず働き続けられますし、歳を取っても働き続けることができますのでその分稼ぐことができます。

お金自身に働いてもらうとは、株、投資信託、FXなどの金融商品を活用して、お金自身に稼いでもらうことです。いわゆる、投資です。投資初心者にとって投資はハードルが高く感じるでしょうが、何かをきっかけにいつか始めたいと考えているのであれば、ボーナスを機に経験するのは良いタイミングです。

投資といえば、まとまったお金が必要と考えている人が多いですが、投資信託は100円からと少額で始めることができます。食わず嫌いにならず、少額から始めてみて、自分に合わなければやめればよいですし、自分に合えば続ければよいでしょう。

ボーナスで使う自己投資は「ワンランク上の体験」や「副業」に活かす

自己投資とは「投資」という言葉が付いている通り、投資であればリターンを考えるのが必須です。

自己投資の考え方は「人生100年時代を生き抜く鍵は、自己投資にあり」の記事で詳しく紹介しておりますので、チェックしてみてください。

自分を成長させ、リターンを得る早道は、ワンランク上の体験をし、身体に染み着かせることです。

ワンランク上の体験とは、例えば……

・ビジネス交流会(オンライン含む)に参加し、自己プレゼン能力を高めつつ、自分より格上の人と繋がる

・海外へプチ留学して、本場の英会話を堪能しつつ、異文化コミュニケーションを図る(海外の友人をつくる)

・地方へプチ移住して働き、その土地に住んでいる人や街から文化や歴史を学びつつ、普段と異なる仕事の視点や考え方を学ぶ

・国内外問わず、美術館や寺院を旅しながら、先人の教えを学びながら心身を鍛える

・3日間の起業体験をし、意識の高い仲間と切磋琢磨しながら起業に必要なノウハウを学びつつ、日常の仕事の考え方へ生かす

など。ボーナスは、普段できないワンランク上の体験をするのに有効な手段です。

また、自己投資して磨いたスキルを本業だけでなく副業にも活かせるでしょう。ボーナスを副業のための準備資金に活かすのもありです。

副業として人気が高いのは、パソコンやスマホなど、インターネットを使って家で稼ぐもののようです。ネットを活かした副業ならば、自分の好きなときに、好きなだけ仕事をこなすことができます(会社員は副業をしてもいいのかを会社の「就業規則」で確認してください)。

ランサーズやクラウドワークスなどに代表されるクラウドソーシングはだいぶ認知されてきました。これらのサービスは簡単にいうと、サイト上で紹介されている仕事に応募し、指示にしたがって作業をすることで、報酬を得るシステムです。

簡単なデータ入力のような仕事はもちろん、記事や体験談の執筆、イラストやカタログのデザイン、ウェブサイトやアプリの開発のような専門的な知識が必要なものまで、仕事は多岐にわたります。こうした仕事が好きだったり得意だったりするのであれば、お金を稼ぎながらスキルを伸ばしていくことができるでしょう

とはいえ、クラウドソーシングの仕事の単価は安いのがデメリット。よって、より個性を出しながら、単価を上げたいならば、ココナラ(coconala)やタイムチケット(TIME TICKET)のようなサービスもあります。

ココナラは、自分ができることを出品して売ったり、他人が出品していることを買ったりできるサービスです。こちらも内容は多岐にわたっており、デザイン、占い、似顔絵といったサービスはもちろん、悩み相談やビジネスサポートといったものまであります。

サイトには各ジャンルの人気ランキングが並んでいます。人気の出品者になると数千件の販売実績があるのはもちろん、利用者のコメントにも満足している旨が並んでいます。

また、タイムチケットは自分の時間を30分単位で販売できるサービス。買ってもらった時間で、自分のできるサービスを購入者に提供します。こちらも、写真撮影、ビジネスコンサルティング、コーチングなど、じつにさまざまなサービスがやりとりされています。

自分にとっては当たり前のことが、他人にとっては貴重なことであるかもしれない。これらのサイトは、その事実を端的に示してくれているように思います。ココナラやタイムチケットなどは、自分の好きなこと、得意なこと、趣味が「ニーズがあることなのかどうかを検証できる」サービスともいえます。

ボーナスを有効に活用して「お金を生み出す力」をぜひ磨いてみてください。

株を始めるなら好きな商品・サービスを販売している企業から選ぶ

お金自身に働いてもらう一つの方法として、株式投資があります。ボーナスを機に株式投資を始めてみたいということであれば、まずは好きな商品・サービスを販売している企業の中から選んでみるとよいでしょう。

名前は知っていても何のビジネスをしているのかよく知らない企業に投資をするよりも、好きな商品・サービスを販売している企業であれば、商品内容やビジネスを理解しているわけですので、何も知らない企業を選ぶよりはリスクが低くなります。

株価というのは、企業の成長とともに上昇していきますが、企業の成長には、商品・サービスの売り上げが伸びていくのは必須です。そしてその売り上げはあなたを含めたファンが支えているのです。

ただ、商品・サービスは好きだけど、企業のことはよく知らないということもあるかもしれません。その場合は、結婚相手を選ぶように、情報収集をするとよいでしょう。

結婚相手の場合、「フィーリングは合うのか」「お金にだらしなくはないのか」「女性関係にだらしなくはないのか」「周りの友人の人柄」「評判」などですね。

株式投資の銘柄選びも同じです。「企業理念・将来ビジョンは応援できるのか」「実績があり、売り上げや利益は堅調か」「財務の健全性は問題ないか」「提携先・取引先はどんな企業か」「お客様の声」などです。

また、10年後・20年後に必要とされ続けている業界であることも重要です。コロナ禍など不況時にも強いならなお良いです。

例えば、医療分野、健康分野、美容分野、セキュリティ分野などです。コロナ禍では、医療と健康は特に必要とされています。医療は医薬品に限った話ではなく、医療機器も含みます。

健康であり続けたい、綺麗であり続けたい、若くあり続けたい、というニーズはなくなることはないでしょう。

株式投資は、今後成長が期待できる企業とじっくり腰を据えて、お金を投じて応援するのが基本。ボーナスを機にチャレンジしてみれば、お金自身に働いてもらうのはもちろん、意外と自分に合っているという発見があるかもしれません。

昔と違って、まとまったお金がないと投資できないという世の中ではありません。LINE証券やSBIネオモバイル証券などのスマホ証券では、数百円程度から株式を買うことができます。お金を失うのが怖いという方でも、少額からであれば心理的なハードルも低くなるでしょう。

さらに、最近では楽天ポイントやPontaポイントなどのポイントによる投資もできるようになっています。

何事もそうですが、最初の一歩が肝心です。始めてみることで見える世界が変わります。

(文:頼藤 太希(マネーガイド))

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