福祉避難所、震災の教訓反映へ 県など運営マニュアル見直し

©有限会社大分合同新聞社

熊本・大分地震から見えた課題を踏まえ、マニュアル内容を検討する委員=30日午後、大分市
2013年に作成した開設・運営マニュアル。迅速な対応ができるよう内容を見直す

 熊本・大分地震を教訓に、県と県社会福祉協議会は災害時に要配慮者を受け入れる「福祉避難所」の運営マニュアルの見直しを進めている。昨年4月の震災では、事前の周知や人材・物資の確保などの課題が明らかになった。災害発生時には迅速に開設してスムーズな運営ができるよう対応法を再検討して「総合マニュアル」に仕上げる方針。

 福祉避難所は一般避難所で過ごすことが困難な高齢者や障害のある人らを受け入れる。県内は福祉施設など360カ所(2016年9月末時点)が指定されており、計約4900人が利用することができる。

 県によると、熊本・大分地震では、由布市と竹田市の4カ所で開設し、計80人が避難した。震災後、県が県内全指定施設に調査をしたところ▽開設に必要な物資を備蓄していない▽住民が福祉避難所の存在を知らない▽開設訓練をしていない▽専門職員をどう確保すればいいのか分からない―などの声が上がったという。

 県と県社協は、13年に開設・運営マニュアルを策定したが、避難所開設後の内容が中心だった。総合マニュアルでは、平常時の準備や周知、災害発生直後の対応などを新たに盛り込む。実際に福祉避難所を開設した由布市の特別養護老人ホーム「温水園」の当時の記録なども記載する。

 見直し作業は4月から、行政や社協、福祉施設の代表者17人で取り組んでいる。5月30日には大分市内で2回目の会合があり、災害直後の行政や社協、施設など各機関の対応を確認。時系列にして互いの具体的な行動を把握した。会合を重ね、8月中には総合マニュアルを完成させる。

 10月から総合マニュアルを活用して、県内4カ所で福祉避難所の指定施設や市町村、社協らを対象にした人材育成の研修会を開く計画。県地域福祉推進室は「実効性のあるマニュアルに仕上げ、万一の際に備えたい」と話している。

あなたにおすすめ