信越地域に貢献する鉄鋼業

日鉄住金工材/上越活性化支援でブログ開設/地域資源(価値)を発掘

 チタン製電着ドラム、各種圧力容器、チタン・特殊ステンレスパイプ、ステンレスフラットバーを製造販売する日鉄住金工材(本社・上越市、社長・石川昌弘氏)は拠点である上越市活性化支援のための会社ブログ「潮風・川風・山風に吹かれて、あしたのジョーエツ」を開設した。(会社HPにリンクあり)地域資源を掘り起し、ストーリー仕立てで紹介し、上越への関心度を向上させる。

溶接指導の現場を紹介

 これまでの掲載は日本三大夜桜の高田観桜会や林芙美子の「放浪記」の舞台となった直江津の街をPR。「思い出スポット」のコーナーは企業キャラクター「コウにゃん」が社員とともに名店や名所を巡るスタイル。味わい深いイラストで、同僚と楽しむ様子が描かれている。

 「ひたむき社員」のコーナーは中堅社員が製造現場の改善や溶接作業を振り返り、写真で再現。上司、同僚、部下から本人へのエールを書き込んだ「ほめコト葉」を掲載。

「鳥幸」など直江津の町をPR

 ブログは共感できるストーリーと読みやすいコメントによる〝ほのぼの、元気が出る、親しみやすい〟構成。

 狙いは社員の生き生き働く姿を通じ、共同体感覚(他者貢献)を分かち合うこと。リクルート対策、社員のモラールやマインドアップ、愛社精神の高揚などで効果が上がっている。ひいてはまじめ、ひたむきな企業ブランドの構築、(様々なテーマの取材を通して)感性を磨くことによるイノベーション訓練にもつながると期待される。

日本三大夜桜の高田観桜会

 同社は今年6月28日に創立70周年を迎える。それを記念してこれまでの感謝と百年企業への想いを込めて、4月に新入社員がサクラとハナミズキの記念植樹を行った。

 また地域の観光スポットにもなるように、伏見稲荷大社の千本鳥居をイメージした鳥居の増設、記念碑「百年続きますように」の設置も予定している。

JFEエンジ/長岡で生ごみバイオガス化事業/分散型エネ社会構築に貢献

 長岡市が13年7月から取り組んでいる生ごみバイオガス化事業は低炭素社会の構築、再生可能エネルギーの普及に貢献している。

 長岡市寿の生ごみバイオガス発電センターの建設、運営にはJFEエンジニアリングの技術やノウハウが注ぎ込まれ、エネルギー効率の高い処理を行うことでゼロエミッション化を達成。CO2の削減、再生可能エネルギーの活用により、地産地消型の分散型エネルギー社会の実現に寄与している。

長岡市生ごみバイオガス発電センター

 最大の特徴は生ごみ処理の過程で発電を行う点。(1)不適物除去装置で紙、ビニールを除去(2)混合槽、調整槽で水分調整を行う(3)発酵槽内で微生物によって生ごみを分解し、バイオガスを発生(4)ガスホルダーにいったん貯蔵し(5)ガスエンジンでバイオガスを燃焼させ発電を行い、残渣は脱水機、乾燥機を経て乾燥燃料として利用する。

 1日の生ごみ処理能力は65トン。全国の自治体で最大規模の施設だ。導入前の12年度と16年度を比較すると燃やすごみの量は2割削減。それによって長岡市内の焼却施設を3カ所から2カ所へ統廃合。16年度は774トンのCO2(一般家庭160世帯分)を削減した。

 発電方法は集荷した生ごみを微生物で発酵、バイオガスを発生させ、JFEエンジニアリングが自社開発したガスエンジンで発電する。電力の一部は場内で消費し、残りを再生可能エネルギー固定買い取り制度を利用し電力会社へ送電。16年度は236万KWH(一般家庭580世帯分)を送電。

 施設内に電気自動車用急速充電器を設置したり、発酵残渣は化石燃料に代わるエネルギーとして注目され、民間のセメント工場に燃料として売却している(16年度は391トンを売却)。

 最先端の施設として子どもたちの見学を受け入れ、16年度は3千人超が見学した。

 近年、分散型エネルギー、再生可能エネルギーの普及率を高める方向に向かっており、長野県では1村1自然エネルギープロジェクト、新潟県は新エネルギー・省エネルギーの設備導入に関する支援があり、選択肢の一つとして廃棄物系バイオマス利活用が国内、海外から注目される。

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