海難救助技術磨く 横浜で3管が合同訓練

 第3管区海上保安本部(横浜)は15日、転覆した船舶に閉じ込められた遭難者の救助を想定した初めての合同訓練を横浜市中区の横浜海上防災基地で行った。特殊救難隊や巡視船「いず」「おきつ」の潜水士計12人が参加し、海難救助技術の向上を図った。

 深さ2.5メートルの訓練用プールには、転覆船に見立てた縦横2メートル、高さ1メートルの金属製ケース3個を沈め、中にバケツや毛布、ロープなど船内にある障害物を設置。周囲には刺し網などの浮遊物を配置するなどリアルに現場を再現した。

 潜水士らは4人編成となり、転覆船内と同じ暗闇の状態で人工的に波が起きる中、狭いケース内に連携しながら進入。船内の空気だまりにいると想定した遭難者を救助し、全面マスクを着けて船外に搬送した。

 特殊救難隊の隊長(32)は「遭難者は転覆船内にいるだけで平常心でいられないと思うが、不安にさせず、励ますことをモットーにしている」と話していた。

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