全国に株分け『奇跡のあじさい』 震災・決壊後の藤沼湖で発見

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 藤沼湖自然公園をアジサイの里に—。東日本大震災で須賀川市長沼地区の農業用ダム「藤沼湖」(藤沼ダム)が決壊し、多数の犠牲者が出てから6年以上が過ぎた。震災後、湖底からはヤマアジサイが見つかり、「奇跡のあじさい」として株分けされ、地元住民や全国の希望者に送られた。25日、全国から約1000人が「奇跡のあじさい」を持ち寄り、修復が終わり水をたたえた湖のそばに植える植樹祭が行われる。

 「震災でバラバラになりかけた長沼を一つにしようとアジサイを育て、株分けした。ようやくこの日がくる」。地元の長沼商工会・藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員長の深谷武雄さん(71)は苦労を振り返る。

 2013(平成25)年、水がなくなった湖底で見つかったアジサイは約300株。メンバーで育てようと一部を掘り起こし、深谷さんは約20株を育て始めた。深谷さんは株分けしてアジサイを増やし続け、自宅そばにはビニールハウス1棟を新設。「早朝からの水やりなどが大変だった」と口にするが、5000株近くに増えた苗を愛情を込めて育て上げた。

 株分けで増えたアジサイは地域や全国の希望者に育ててもらっている。長沼地区と友好関係にある北海道長沼町、熊本地震で被災した熊本県宇土市の住吉中などにも送られた。深谷さんは「アジサイはみんなのおかげで育っている。植樹祭では心を一つに交流を深めてほしい」と期待を寄せる。

 植栽当日は、午前10時に開会。午後1時からは、中島村の口笛奏者高木満理子さんが口笛、長沼中生が合唱を披露する。当日は誰でも参加して植栽することができ、参加費は1000円(未就学児無料)。

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