福井市消防局でパワハラが深刻

画像1年以内にハラスメントを受けたことがある人の調査結果

 福井市消防局職員の14・8%が、1年以内にパワハラ被害を受けたとみられることが20日、東消防署のパワハラ問題を受けて市が実施したアンケートで分かった。被害の内容には「降格願の提出強要」「救助訓練の減点で罰金徴収」などの記入があり、深刻なパワハラが起きていた可能性が浮き彫りとなった。

 アンケートは昨年11月、当時の東消防署長らがパワハラ行為で懲戒処分となったことを受け、消防局全体の実態を把握するため、今年2月に実施した。個人が特定されないようインターネットを介して無記名で行い、18項目の質問について全職員364人のうち344人(回収率94・5%)から回答を得た。

 ハラスメントを受けたことがあると答えたのは179人(52%)で、このうち1年以内に絞ると51人(14・8%)だった。市は「1年以上前の被害には10年、20年前の事案も含まれている」とし、実態把握のため1年以内に被害を受けた職員に絞って回答を分析した。

 ハラスメントを受けた相手(複数回答)は「上司」が48人で最多となり、「仕事上の先輩」が19人で続いた。

 受けた被害は21項目から選択する方式(複数回答)で、「危険な業務中以外で、人前で激しく叱(しっ)責された」が最多の32人。「仕事上のミスだけでなく人格まで否定する」(29人)、「『バカヤロー』などの暴言」(28人)が続いた。「暴力をふるう」「金銭の賃借や肩代わりを強要する」もそれぞれ6人が回答、パワハラの域を超えている可能性も浮き彫りとなった。

 自由記入できる「その他」では51人中15人が回答。「上司同席のもと、降格願の提出を消防OBに強要された」「救助訓練で減点になると罰金を徴収された」「食事代を払わされる」「酒をつがなかったら、お前は絶対に殺すと脅された」などがあった。

 市職員課は「1年以内に被害に遭ったという職員がいる事実を重く受け止めている。再発防止のため、これまで以上に研修の充実や相談窓口利用の周知を図る」としている。

 ハラスメント問題に詳しい海道宏実弁護士(福井市)は「実際の被害者はもっといるはず。パワハラと判断できていない人が多いのだろう」と指摘。自由記入で書かれた被害内容については「私が受けている相談や事件の実態を踏まえると、ほんの一部に過ぎない。個人が特定されるのを恐れて正直に書けない人が多いのでは」と分析し、安心して相談できる環境整備が必要と述べた。

 ■福井市東消防署のパワハラ問題

 飲み会で部下に全裸になることを強要したなどとして、昨年11月、市消防局東消防署長(55)が停職1カ月、消防司令(44)が減給10分の1(2カ月)の懲戒処分を受けた。同署の消防副士長(33)は、同僚に日常的に暴力を振るったとして、停職6カ月の懲戒処分となった。6人が監督責任を問われ、減給などの処分を受けた。役職や階級、年齢はいずれも当時。

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