社説[入札不調]原因分析し対策を急げ

 県土木建築部発注の公共工事で「入札不調」や「入札不落」の増加が問題になっている。2016年度は不調や不落が全体の21%を占めるなど高止まりの状態が続いている。

 入札不調とは参加者が出ないか足りないことで、入札不落はすべての入札価格が予定価格を上回ることをいう。いずれも契約は成立しない。

 県土建部が初めて行った調査によると、16年4~10月に発注した公共工事で入札に参加しなかったことがある土木工事業者は約9割、建築・電気・管工事業者が約8割に上ることが分かった。

 入札に参加しなかった主な理由は「配置予定の技術者の不足」「発注時期・工期の重複や集中」「利益が見込めない」などである。

 不調や不落に歯止めがかからない中で、対策を立てるためには原因を分析することが重要だ。県は技術者不足などが不調や不落につながった要因とみているが、もっと詳細な分析が必要だ。

 離島での5千万円以下の小規模な建築工事での不調や不落が目立つとの県幹部の声もある。工事の規模や種類、離島を含めた地域的な偏りがあるのかどうか、さらなる調査をしてもらいたい。原因があぶり出されれば、対策も見えてくるはずだからである。

 県は資材単価の調査を年2回から4回に増やし、直近の市場動向を積算に反映しているというが、離島での資材調達、職人派遣や渡航・宿泊費などを勘案すると、実態とそぐわないのではないか。離島での工事は小規模であればあるほど利益が少ない。業者が離島を避ける理由である。

■    ■

 沖縄の公共工事における不調や不落は全国と比べても高いといわれる。問題の一つは資材の単価や人件費が高騰する中で、県の積算と実勢価格が乖(かい)離(り)しているとみる業者が少なくないことである。

 民間需要がかつてないほど旺盛である事情も背景にある。ホテルやマンション、一戸建て住宅を中心に、元請けは下請けや孫請けの確保が追いつかないほどだ。民間工事の方が公共工事に比べて割がよく、業者は民間工事を選んでいるのである。

 もう一つは、全国的な問題だが、建設業界の人手不足である。県建設業協会は、工事現場に配置しなければならない技術者や、職人が東京五輪・パラリンピック、東日本大震災、熊本地震などの現場に流れている影響もあると指摘する。人材を確保するためには賃金の底上げを含めた建設業界全体の労働環境の改善が求められる。

■    ■

 公共工事の契約が成立せず、当初計画に大幅な遅れが出たりすれば、そのしわ寄せは地元の住民が受ける。

 公共施設などが完成し、サービスが向上することに期待を寄せていた住民からすれば、不調や不落は、生活に影響を及ぼしかねない。

 県と県建設業協会は積算の在り方で意見の相違がある。それが不調や不落の高止まりに表れている。両者が折り合いを付けるためにも、実勢価格を予定価格に反映させるよう積算方法の見直しを含め検討すべきだ。

あなたにおすすめ