水難救助にドローン活用 藤沢で実証実験

 本格的な海水浴シーズンを前に、小型無人機「ドローン」を活用した水難救助の実証実験が27日、藤沢市片瀬海岸西浜で行われた。建設会社の社員有志らでつくる一般社団法人「災害対策建設協会JAPAN47」神奈川支部の主催。

 実験は、海で海水浴客らが溺れたという想定で行われた。温度差を感知できる赤外線カメラ搭載のドローンで水難救助者を発見。その後、別のドローンで救助者の元へ浮輪を運び、救護者が水上バイクで駆け付けた。

 同法人はことし6月に設立。全国の建設会社約150社が加盟し、神奈川、埼玉、千葉、鹿児島、福岡に支部を置く。建設業界は昨秋から、建設現場の家屋調査などで本格的にドローンを活用。操縦資格を持つ社員も少なくないという。

 神奈川支部長は「建設現場では、人がなかなか入れない屋根裏や屋上などでドローンを飛ばしてきた。高い操縦技術を持った職人も増えてきたので、他の分野でも生かしたいと考えた」と話す。

 昨年4月の熊本地震後、災害現場を訪れた職人もいるといい、同法人は大規模自然災害や水難事故などでの活用について模索しているという。

 支部長は「災害現場では迅速な対応が求められる。いち早く現場に行くことができるドローンを使った救助は十分可能性があると思う。今後、実験を繰り返し、実用化できれば」と期待を口にしていた。

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