相模向陽館が夏初勝利 高校野球神奈川大会第4日

 第99回全国高校野球選手権神奈川大会第4日は13日、横須賀スタジアムなどで1回戦20試合を行い、相模向陽館が6年目の夏にして初勝利を挙げたほか、古豪・法政二などが2回戦に進んだ。

 相模向陽館は同点の九回に主将村岡勇太(3年)の勝ち越し打などで4点を加え、サレジオを11−8で振り切った。希望ケ丘は8犠打とバントを駆使し、金沢総合を13−5で下して5年ぶりの夏勝利を挙げた。

 大船は2点を追う八回に打者9人、6安打を集中させ5点を奪い、神奈川大付に6−3で逆転勝利した。鶴見大付は松本恭也(2年)の3ランなどで10−0で逗子開成に大勝した。

 14日は試合がなく、第5日は15日、藤沢八部球場など10会場で2回戦24試合を行う。◆部員10人 らしさ全開 打ちも打ったり先発全員の20安打。部員10人の相模向陽館が、参加6年目で夏の初勝利を挙げた。ただ一人の3年生で、決勝打を放った主将村岡は「下級生に感謝したい」と男泣きだ。

 午前・午後部に分かれた定時制で、合同練習は昼間の1時間20分のみ。部員不足も相まって細かい守備練習はできない。ならばと開き直り、昨秋から練習の8割を打撃に費やしたのが吉とでた。

 六回にミスの連鎖で逆転されたが「とにかくバットを振れ」と本屋敷隆裕監督(53)は強気を貫いた。直後に追い付くと、圧巻は同点の九回だ。

 無死満塁が併殺で2死一、二塁となったが、村上が初球を強振して再び満塁に。最後はキャプテンが外角球に食らい付いて左前に落とし、一塁上で拳を握りしめた。

 終わってみれば盗塁ゼロ、四球は一つ。投打に活躍した1年生の野地は「初勝利に貢献できて良かった」とはにかむ。らしさ全開で1勝をつかんだ指揮官は「うれしいのひと言」と感無量の表情だった。

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