中部電力とトーエネック、ダイカスト工場の「省エネ支援システム」を開発

 中部電力とトーエネックは12日、ダイカスト工場向け省エネ支援システムを開発したと発表した。これまで作業者の経験に委ねられていた金属の投入量・タイミングをシステムにより支援することで、溶解ガス使用量を削減するもの。同システムはトーエネックが今月19日から発売する。

 ダイカスト製品の生産プロセスでは、金属の溶解に多くのエネルギーを使用しており、省エネ運用を実現するためには、生産品目・数量に応じて適切なタイミングでアルミや亜鉛などの金属を溶解室に投入する必要がある。しかしこれまでは、金属を投入するタイミングが作業者の経験に委ねられているため、金属の溶け具合を把握できずに投入が遅れ、溶解バーナの空焚きが起こってエネルギーロスが生じるという課題があった。

 新システムでは、日々の生産計画に基づき空焚きが起こらない最適な溶解操業スケジュールを自動作成する「操業計画の見える化」した。このほか操業状況をリアルタイムにグラフ化や、金属の投入時期を知らせる「操業状態の見える化」により、空焚きを防止した上で溶解操業の省エネ運用を支援する。さらに、操業スケジュールと実際の生産プロセスの比較・分析によりエネルギーロスを定量的に把握する「エネルギーロスの見える化」によりユーザーの作業工程の改善をサポートする。

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