2度震災体験の熊本市の高校生、募金呼び掛け

九州北部豪雨

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マリスト学園高の校内で、福岡、大分両県の豪雨被災地への募金活動をする杉澤真生さん(右)=12日、熊本市東区

 熊本市のマリスト学園高3年の杉澤真生[まさき]さんは、校内で福岡、大分両県の豪雨被災地への募金活動に取り組んでいる。宮城県仙台市出身で、東日本大震災を経験し、熊本地震では帰省中に募金活動に励んだ。2度の大災害を経験し、「被災地に人の温かさを届けることが大切」と支援活動の理由を語る。

 「被災地への募金をお願いします」。昼休み、多くの生徒らが行き交う食堂前の通路。杉澤さんは、下級生の生徒会メンバーとともに大きな声で協力を呼び掛けていた。

 小学5年生の時、東日本大震災が発生。家族5人は無事だったが、「ものすごく不安だった」。そんな中、全国から集まったボランティアの人たちが懸命に活動する姿に励まされた。

 高校は「親元を離れて自立した生活を体験したい」と、縁のなかった熊本へ進学。2年生になったばかりの昨年4月14日夜、寮の4階で勉強中、熊本地震の前震が起きた。混乱の中でも、「東日本大震災を経験した自分がしっかりしなければ」と、窓やドアを開けて避難経路を確保するなど率先して行動した。

 翌日からは休校となり、16日には再び本震が発生。学校からの指示で杉澤さんは同日午前に仙台市の実家に帰省したが、熊本のことが頭から離れず、「普通の暮らしができる自分」に悩んだ。

 そんな中、母親から「仙台でも支援はできる」と背中を押され、JR仙台駅前で約2週間、学生証の拡大コピーを首から下げて募金活動をした。最初は一人だったが、次第に友人たちも手伝ってくれるようになり、計約92万円を県を通じて寄付した。「東北と熊本をつなぐ一役を担えたように思えて、自信につながった」と話す。

 熊本地震から1年3カ月。3年生となり、大学進学に向けて受験勉強に打ち込んでいたが、記録的な豪雨による福岡、大分両県の甚大な被害を報道で知ると、2度の大災害時に不安を抱えていた自分自身の姿が重なった。「どんな形でもいいから支援をしたい」。その思いが抑えきれなくなり、11日から募金活動を始めた。

 募金は20日まで続ける予定だ。杉澤さんは「金額の多少ではなく、被災地に支援の思いを届けることが大事なんです」と力を込めた。(小野宏明)

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