<金口木舌>ホーキング博士の警鐘

 「車いすの天才科学者」として知られる英ケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング博士。トランプ米大統領が、温暖化対策の新枠組み「パリ協定」離脱を表明していることについて、英BBC放送のインタビューで批判した▼「気温250度で硫酸の雨が降る、まるで金星のようになる崖っぷちまで地球を追いやるようなものだ」。強い言葉で指摘、米誌タイムやニューズウィークが報道するなど話題となっている

▼宇宙物理学者としての危機感の表れだろう。トランプ氏の姿勢について「われわれと子孫にとって、美しい地球に本来避けられる環境破壊を招き、自然界を危険にさらすものだ」と指摘する

▼温暖化が進めば、最大風速80メートルに達する極めて強い「スーパー台風」が日本を襲う恐れがあると国内の研究者が予測している。大きな被害を出した室戸台風(1934年)、伊勢湾台風(59年)をしのぐ強さだ

▼九州北部で7月上旬に降った豪雨が多くの犠牲者を出した。6月中旬には沖縄本島などで降った雨が各地で「観測史上最大」を記録した。全てを単純に温暖化が理由とすることはできないが、近年にない激しい気象の変化が目立つ

▼「地球温暖化は、後戻りできない転換点に近付いている」。ホーキング博士が鳴らす警鐘に、この星の全ての人が耳を傾ける必要がある。

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