川崎でヘイトデモ実行 県警、抗議の市民排除

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【時代の正体取材班=石橋学】人種差別主義者によるヘイトデモが16日、川崎市中原区の武蔵小杉駅そばの綱島街道で実行された。主催者は申請の際、ヘイトスピーチはしないと県公安委員会に伝えたが、多数のプラカードが在日外国人を差別し、おとしめる内容となっていた。県警は放置し、人権侵害を防ごうと駆けつけた市民からは「レイシストの差別に県警が加担した」と批判の声が上がった。  計画したのは「朝鮮人を殺せ」と叫ぶヘイトデモを市内で主催してきた津崎直道氏と極右政治団体「日本第一党」最高顧問の瀬戸弘幸氏。県公安委からヘイトスピーチ解消法の順守を求められていたが、在日外国人を侮辱、排斥する違法な文言をかざして行進した。

 多摩川河川敷で殺害された中1男子の顔写真に「川崎をとりもどせ」と添え、在日外国人が敵対する存在であるかの印象を伝えた。法務省作成の「ヘイトスピーチ、許さない。」の啓発ポスターも改ざん。冒頭に「本邦外出身者へ告ぐ 日本人に対して」と記し、民族的少数者が日本人を差別しているかのような誤ったメッセージを発信した。

 沿道を埋めた約500人の市民は「差別をやめろ」「レイシストに居場所はない」と抗議の声を上げ、差別の扇動効果を打ち消すメッセージを発信。人権被害を食い止めようと車道に次々と体を投げ出すも、警察官に排除された。直前の出発地点変更を気取られぬよう慎重に警備体制を整えた県警の姿勢も被害をより深いものにした。

 市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」の三浦知人事務局長は「このような不当なヘイトデモがいつまで許さなければならないのか。川崎市に人種差別を禁じる条例の制定を求め、差別が断罪される当たり前の社会をつくっていかなければならない」と声を震わせた。

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