やまぐちさん(佐賀市)101人の妊婦、写真集に

画像
「101人の妊婦裸写」の作品

■命の素晴らしさ伝えたい

 妊婦を撮影した写真集「101人の妊婦裸写」が18日発売される。大きなおなかを抱えた母親や家族の笑顔に、生まれてくる子どもに宛てた手紙を添え、誕生を心待ちにする家族の思いがあふれる。撮影した「妊婦のためのママフォトグラファー」やまぐちゆかさん(39)=佐賀市=は「全ての人が天文学的な確率で生を受け、命懸けで産んだ母がいる。写真集で命の素晴らしさを伝えたい」と話す。

 九州造形短期大学写真科を卒業、写真館勤務を経て独立した。2011年、10カ月胎内で育てた長女の死産を経験した。「結婚したら妊娠して出産、という流れが当たり前じゃないと痛感した」と振り返る。

 「確かにここにいた娘の存在」を、周囲から「なかったこと」のように扱われるのがつらかった。命の意味を考えながら再びカメラを手にし「101人の妊婦を撮る」目標を掲げた。101には「生むことがゴールではない。『ここが始まり』という思いを込めた」。

 昨年10月、県内外の妊婦101人を2年がかりで撮り終えた。被写体の母親から「家族の思い出ができた」、他にきょうだい児を持つ母親からは「赤ちゃんと向き合う時間を持てた」など感謝の手紙やメールが届く。

 撮影の傍ら、死産や流産をした女性の苦しみにも耳を傾けた。友人知人のいない土地で出産する不安を吐露する声もあった。妊婦や乳児を抱える母親が交流する会を自宅で開くようにもなった。「命は愛して守って大切にしたいという思いで授かるものだと伝われば」とやまぐちさん。

 出版費用約200万円の大半は、インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングで集まった。写真集は178ページ、2200円(税別)。1千冊を発行、佐賀県内の主要な書店で販売する。問い合わせは佐賀新聞プランニング、電話0952(28)2152。

あなたにおすすめ