南部まつり×ニコニコ動画 青森県初「町会議」開催

画像今月9日放送のニコニコ町会議の開催地発表番組に出演した南部まつり実行委員会の関係者(niconico提供)

 国内最大級の動画サービス「ニコニコ動画」を運営する、ドワンゴ(東京)の人気イベント「ニコニコ町会議」が、南部町の青い森鉄道三戸駅前で8月12日に予定される「南部まつり」で行われる。2017年度の全国ツアーの開催地が今月発表され、青森県内で初めて選ばれた。地域のまつりと若者に支持されるネット文化とが融合し、町の魅力を全国に発信する。

 町会議は、歌や踊りなどの投稿を集める「歌ってみた」や「踊ってみた」「ゲーム実況」といったニコニコ動画の主要企画を実際に再現する。首都圏で展開される「ニコニコ超会議」の地方版として全国を巡回しており、今年で6年目。

 会場では人気出演者がパフォーマンスを披露する他、1人カラオケやゲームなどの体験ブースが設けられ、飛び入り参加もできる。会場の様子はネットで生配信される。全国9市町を回った昨年の来場者数は合計で10万人、ネット視聴者は224万人に上った。

 南部町は町外の来訪者を5千人と予想。人口約1万8千人の4分の1を超える数が見込まれるため、会場周辺に臨時駐車場375台分を確保し、シャトルバスの運行も計画。公共交通機関との調整も検討する。

 少子高齢化が地域伝統のまつりの在り方を変えている。38回目の開催を8月に控える南部町の「南部まつり」は今回、子どもなどの担い手の減少を背景に、メイン行事だった大名行列をとりやめる。一方、全国の若者らに支持されるニコニコ動画との連携を決めた。時代に合ったまつりの姿を模索してきた地元関係者は閉塞(へいそく)感を打破する起爆剤として期待。「盛り上がりを一過性で終わらせてはならない」と将来を見据える。

 北奥羽地方で最大勢力を誇った戦国大名の三戸南部氏。南部藩発祥の地を掲げる同町の南部地区のまつりでは、大名行列が三戸駅前商店街を練り歩き、地域の歴史を伝えてきた。

 行列の参加者とスタッフは総勢約600人とされ、そのうち3分の1は子ども。同地区唯一の高校だった県立南部工が2014年度末に閉校すると人手不足が深刻さを増した。

 高齢化で大人についても人員確保の問題が拡大。地域住民でつくる南部まつり実行委員会は今年、「ゼロベース」で行事内容を議論した結果、大名行列の代わりとして町外のよさこい団体などを招いたパレードに切り替えることを決めた。

 新たな試みに挑もうとする矢先に舞い込んだのが、ニコニコ町会議の開催。きっかけは町内に住む女子高生の応募という。さまざまな情報がネットで集まり、多くの人たちとつながる時代。大人たちが頭を悩ます中、1人の行動が地域内外を動かした格好だ。

 まつりの中で、3年間続くコスプレイベント「サブカルフェスタ」も誘致の後押しに。1年目に参加者7人で始まった企画はリピーターを獲得し、今では20~30代中心に70人を集める。

 イベント発案者は町の地域おこし協力隊を務めた、町の駅おらんど館の源田朋仁事務局長(32)。「人口減少を考えれば、外から来た人も楽しめないと、まつりは続かない。地元の情報を発信するいい機会にもなる」と移住者の目線でまつりの変化を見つめる。

 「地元の人たちに楽しんでもらい、やる気になってもらいたい」と話すのは、まつり実行委の工藤恵之助副会長(33)。町会議を契機に住民がまつりに誇りを持ち、地域づくりに関わることを期待し、「まつりは地域活性化の手段の一つ。地域づくりに加わる若い人たちが出てきて、バトンタッチして行く仕組みになれば」と願いを込める。

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