<この人このまち>「サンマは大船渡」目標

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おいかわ・ひろあき 1956年陸前高田市生まれ。大船渡市の水産加工会社「及川冷蔵」に入社し、2014年に社長就任。

 大船渡のサンマが熱い。水揚げ量、水揚げ高ともに本州一。官民連携組織「さかなグルメのまち大船渡実行委員会」が、多彩な取り組みで地域を盛り上げる。委員長で水産会社社長の及川広章さん(61)に、次なる仕掛けを聞いた。(大船渡支局・坂井直人)

◎さかなグルメのまち大船渡実行委員長 及川 広章さん(61)

 -「サンマのまち大船渡」の知名度は既に全国区ではないでしょうか。

 「大船渡のファンを増やし、市民に誇りを持ってもらうため、得意分野を伸ばそうと考えました。市民に親しまれている魚ですが、漁獲法や水揚げ量を知っている人はそれほどいません。私自身、漁の経験はなく、生きたサンマを見たことがありません」

 -2016年には生サンマを並べてつなげるギネス世界記録を達成。ユニークな活動をしていますね。

 「サンマにまつわる話を冊子にまとめました。漁の歴史や食べ方の紹介はもちろん、黄金色のサンマが水揚げされたエピソードや、魚拓にしてみたらどうなったかといった楽しい話題も盛り込んでいます」

 「出漁や初水揚げ船の入港、全国発送の開始といった節目には必ず式典を催して機運を高めてきました。市観光物産協会主催の『さんま焼き師』の認定試験も好評で、出張試験を実施してほしいという声が届くほどです」

 -給食にサンマを出すなど子ども向け事業にも力を入れていますね。

 「子どもたちに大船渡をもっともっと好きになってもらいたいからです。サンマに関する出前授業を実施した小学校では『漁師になりたい』『地元に住み続けたい』と話す児童もいました。加工場や水揚げの見学会もしたいですね」

 -今後の活動と目標は。

 「大船渡にしかないグルメ開発に力を入れたいと考えています。いずれは『サンマと言えば大船渡』と誰からも認められるようになるのが目標です。みんなで取り組んでいくことで、結果的に経済活性化や水産業界の体質改善につながってほしいと思います」

 -間もなく漁期を迎えますが、近年不漁が続いています。

 「一番の課題ですね。海水温の上昇や海流の変化が指摘されています。ここまで頑張っているのに水揚げがなかったらどうしようと心配です。価格高騰でサンマの価値が高まるのはうれしいのですが、商売は大変。今年こそ豊漁を願っています」

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