県内で交通事故急増 横断中、車に注意 県警、注意呼び掛け

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 県内で交通事故が急増している。ことし1月から5月末までの事故件数は前年同期と比べて減少で推移していたものの、6月末に増加に転じ、上半期(1〜6月)の統計で見ると件数が前年を上回るのは実に17年ぶりだ。死者数も増加傾向で、道路横断中の事故で亡くなるケースが目立つという。「夏の交通事故防止運動」が11日にスタートしたが、県警は注意喚起により一層力を入れている。

 ■人に気付かず■ 「ぶつかるまで、人が歩いているのに気付かなかった」。6月5日朝、横浜市神奈川区の市道交差点で、男性(86)が乗用車にはねられ、頭などを強く打って死亡した事故。県警によると、車を運転していた男性(32)はこう話していたという。

 現場は信号機のない十字路交差点。右折してきた車にぶつかり、亡くなった男性は横断歩道ではない所を渡っていた。自営業の男性は「(左側の)横断歩道に人がいないことは確認して右折した」というが、県警は他の車に気を取られていたともみている。■反射材活用を■ 県警交通総務課によると、県内の事故件数は6月末で1万3421件(前年同期比228件増)。死者数も5月末時点の50人(同6人増)から6月末に67人(同11人増)に増えた。死者は65歳以上の高齢者が36人を占めるが、36人のうち24人が歩行者で、道路を横断している際に事故に遭ったのが18人に上るという。

 しかも、同区での事故と同様に、横断歩道以外を渡っていて亡くなったのは15人。同課の担当者は「横断の際は左右をよく見て車が少しでも見えたら渡らないで」と訴え、ライトなどで照らされると光る反射材の着用も勧めている。■「事故」を体験■ 夏の交通事故防止運動がスタートした11日、県警は横浜市鶴見区の寺尾地区センターで、歩行環境シミュレーターを使った交通安全教室を開催した。地元住民約60人が参加、スクリーンに映し出された映像をもとに、「夜」「夕方」「雨天」などさまざまな状況下で道路横断の疑似体験にチャレンジした。

 車と衝突してしまった男性(85)は「確認不足だった」と改めて危険性を実感した様子。無事に道路を渡り終えた主婦(46)も「夜、ライトを消した車は距離感がつかめず危なかった。実際に横断する時の参考にしたい」。

 同課事故対策官の吉田功警視は「年齢を重ねれば歩く速度も遅くなるし、姿勢が悪くなればそれだけ視野も狭まる。今回の体験が危険性を再認識するきっかけになれば」と言う。これからは夏休みや行楽シーズンを控える。同警視は「子どもの自転車事故やバイク事故が増える。運転には気を付けて」とも呼び掛けた。

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