肥育短縮、牛肉の柔らかさ追求

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肥育期間を短縮し、柔らかくあっさりとした食感を実現した池田町産若狭牛の試食会=17日、福井市のエルパ

 福井県池田町の畜産農家らでつくる「町畜産クラスター協議会」は17日、肥育期間を通常より9カ月間短縮して育てた若狭牛の試食販売会を、福井市のエルパで開いた。若牛専用の飼料を使った牛肉で、柔らかさを追求。赤身と脂身のバランスが良く、さっぱりとした味が特長だ。

 国の補助事業で、農家や行政、JA池田、食肉加工業者が連携した。9カ月間短縮した和牛の生産は、全国でも珍しい試みという。

 通常の和牛は31カ月程度で出荷するが、「池田若牛」は肥育期間を9カ月間短縮し、21カ月で出荷した。21カ月は成体になる時期で、これ以降は肉の量にそれほど変化がないという。“フレッシュ”な若牛は赤身が多く、適度な脂身にはうまみがある。

 昨年7月から池田町の生産者が、肉質がきめ細かい雌牛4頭を育ててきた。若牛専用の飼料には、健康増進の効果があるパイナップルの皮や、獣臭を消す菌などを配合。肥育期間の短縮により、餌代の節約にもつなげた。

 この日は、エルパ内の精肉店カワグチと連携し、15キロの試食用肉を用意、軽くあぶって買い物客に振る舞った。嶋田辰夫さん(81)=福井市=は「柔らかくて口の中で溶ける。歯が悪い高齢者にとってありがたい。脂にも甘みがある」と上々の評価だった。

 JAや県畜産協会の担当者は「食の多様化や高齢化を迎え、より柔らかく、食べやすい牛肉が求められている」と説明する。試食のアンケートを元に、今後の生産計画や販路を検討する考えで「既存牛肉との差を明確化し、新たなブランド化につなげたい」と話していた。

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