強化された米女子ゴルフのドレスコードと、日本のオフィスのドレスコードで違っていること

 やはり地球温暖化ということなのか、日本の夏は年々暑くなっている感じがします。そんなことから、夏の軽装キャンペーンである「クールビズ」も、ずいぶん浸透してきました。  5月ごろのかなり早い時期から、もうノーネクタイは当たり前になっていて、ネクタイ姿のビジネスマンを見る機会が本当に少なくなっています。年間通してノーネクタイが許されているような会社もあるようです。

 私はまだどうしてもお客様への体裁が気になって、ジャケットは常に持ち歩いていますが、気候のことだけを考えれば、はっきり言って不要のものです。  空調が効き過ぎたような室内では、確かにジャケットが必要なことはありますが、これもビジネス上のドレスコードのせいで、それに合わせてオフィスの空調が強くなりがちという悪循環があるでしょう。

 これは業界によって差はありますが、スーツなどではない、もっとカジュアルは服装で仕事をしている人たちはすでにたくさんいます。そもそも「ネクタイが」とか、「スーツが」などと言っている時点で、考え方が遅れているのかもしれません。

 私はオフィスや冠婚葬祭、各種パーティーなどの時に、果たしてどんな服装がふさわしいのかというドレスコードを調べることがよくあります。そこで最近思うのは、許されるか否かの振れ幅の差が、書かれた資料や言う人によって、違いが大きくなってきているということです。結構カジュアルに見えるものまでOKという人から、それには絶対否定的な人までの差が、どんどん広がってきているように感じます。

 私などは、どうしてもお客様に対して失礼がないようにと考えて、ついつい保守的な方に合わせてしまいます。ただそれが、気候に合った合理的なものかと言えばそうではありません。  そうは言っても、やはり場に応じた服装のTPOというのは必ずありますし、暑いから、寒いからというだけでは決められないことがあるのもよくわかります。そんなところで未だに悩ましさを感じることが多々あります。

 昨今の「働き方改革」では、ついつい労働時間に関する問題や、リモートワークなど働く場所の問題に注目が行きがちですが、私はこの「服装」ということも、生産性向上という面では大事な取り組みの一つと考えています。  これもやはりメリハリで、社外の人と会う予定がないとか、社外の人の目につかないのであれば、別にどんな服装で仕事をしていても何の問題もありません。夏は涼しく冬は暖かく、その時の気候に合っていて、着なれた楽な服装の方が、仕事は間違いなくはかどります。  そもそもスーツにネクタイという仕事着は、日本より圧倒的に涼しい欧米が発祥のものです。日本企業のオフィスでのドレスコードは、もっと日本の気候風土に合わせて柔軟であっても良いと思います。

 最近、米女子プロゴルフ協会(LPGA)が新たに厳しいドレスコードを設け、胸元の開いたトップスやジーンズ、短い丈のスカートの着用などが禁止され、違反すると1回につき1000ドルの罰金が科されるそうです。  ゴルフは紳士淑女のスポーツであり、服装もその原点に立ち返るということに合わせて、プロのゴルファーとしてふさわしい服装を意識しているようです。

 一見すると規制強化で、私が言っている柔軟さとは逆行しているように見えますが、注意しなければならないのは、プレー自体を阻害するような内容はここには一切含まれていないということです。あくまで露出が高すぎたりラフすぎたりするような、見た目が良くないものを規制するだけで、動きが制限されるようなものや、暑さ寒さを強制するようなものはありません。  人に見られる仕事という自覚を求めていますが、競技力を犠牲にするようなものはありません。

 一方ビジネスの場でのドレスコードには、「生産性」に影響すると思われる、暑さ寒さを強制するようなものがあります。この点は柔軟に考えるべきです。

 服装一つをとっても、仕事の生産性には意外に影響があるのではないかと思います。すでに取り組み始めている企業も出てきていますし、たぶんこれからは検討必須のテーマになっていくだろうと思います。

※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら

あなたにおすすめ