議員気分で映画鑑賞も 秦野市議会議場の多目的利用

 秦野市議会が今月から議場の多目的利用を始めた。第1弾として、29日に映画上映会を開催する。主催する市議らは「市民に議会により親しみを持ってほしい」と来場を呼び掛けている。神奈川県内では大和市議会の議場をドラマ撮影に使った例などがあるものの、珍しい取り組みという。

 議場は傍聴席62席を含む議員席、市長席など合計114席。さらに、パイプいすを置くことができる。昨年夏、傍聴者に配布資料を見てもらう目的で、120万円かけて150インチの大きさのスクリーンを設置した。

 2011年6月に「市民に開かれた議会」をうたった市議会基本条例を施行。先行する大阪府大東市などを参考に、今年6月に多目的利用を可能とする基本方針を決定した。本会議や議会報告会、子ども議会など議会関連の目的でしか使用されていなかった議場で、定例会休会中はコンサートや講演会といったイベントを開けるようになった。

 29日に上映するのは商店街の再生を描いた映画「商店街な人」。議員有志の主催で、街の未来をテーマに参加者による話し合いも行う。午後1時から同4時半までで、入場無料。定員は58人で、当日先着順に受け付ける。申し込みは不要。

 議場の多目的利用を呼び掛けた八尋伸二市議(54)=民政会=は「(イベントの申請者は議員に限定しているが)将来的には議員だけではなく、市民も利用を申請できるようにしたい」としている。

 上映会の問い合わせは、八尋市議電話090(1736)5501。

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