連載金属行人

金属行人(7月18日付)

 先般、一般鋼材の老舗特約店が事業の撤退を発表した。条鋼建材市場は劇的に変化しており、ミルの直送比率も高まっている。改めて流通の機能を見つめ直す岐路に差し掛かっているということが実感された出来事だった▼「生き残る種とは最も強い者でも最も賢い者でもなく変化に最も適応する種である」―イギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンはこう言ったという。変化に対応するため必要なことは何だろうか▼まずはユーザーや世の中が現在や将来に何を求めるか迅速に把握することが大事だろう。新製品や技術開発でも研究が市場のニーズに則したものではなく「研究のための研究」になるケースを見聞するが、ユーザー目線に立てば避けることができる。企業もニーズに合致した存在になるのではないか▼ここに立脚してデファクト・スタンダード化ができればさらに有利となる。建設業界にも需要の増減に沿ってさまざまな課題が生じている。これを解決する製品や技術、企業の機能が建設現場に必要不可欠のものとなれば、気が付けば誰もが使用しているウィンドウズのようになるかもしれない▼かつて中国でも、小国が大国と渡り合うために奇抜とも言える思い切った外交施策を展開した。歌詞ではないが、今を嘆くよりも自分の弱さを追い越していきたい。

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