女性向けにプログラミング無料講座 沖縄出身エンジニア きっかけは母が1人で兄弟を育てた実体験

morei代表 具志堅雅さん(30)=那覇市出身

 青いロングシャツでさっそうと現れた。高校時代、メディアに頻繁に取り上げられるIT企業の代表らを見て、「インターネットがなんだかすごそう」と専門学校に進学した。

 いざ就職となると「知名度があり、安定してそうで母親が安心できる会社」と日立系のグループ会社にエンジニアとして就職した。仕事着は当然スーツ。「仕事している感やまっとうな社会人という雰囲気で。私服だとフリーターにみられる気がした。スーツを着ないのはいまも間違っているかもしれないけど」と見せる笑顔にも芯の強さがのぞく。

 法人向けネットバンキングのシステム開発に携わりキャリアを積んだ。利用社数や規模は大きかったが「誰もが使え、多くの人をハッピーにする生活に欠かせないものをつくりたい」と一念発起して、WEBエンジニアに転向した。現在働くタウンWiFi(ワイファイ)では、自治体や店舗などが無料で提供するWiFiを検索し自動接続するアプリの企画から開発までを行う。

 仕事とは別に2015年夏には、プログラミング教育支援団体「morei(モアイ)」を立ち上げた。模合のように仲間が集い、技術や知識の共有や互いのよさをカバーできる場所や、「私のもっと」をかなえる「more&I」という意味を込めて名付けた。

 メーンの活動はスイーツを食べながらプログラミングを学ぶ女性限定の「Sweet Swift」。スマートフォンでアプリを使う女性は多いが、開発やプログラミングと言ったとたんに気後れし、学ぶにも受講料が高く壁になっていた。アピール時間を設ける代わりに協力企業から場所を無償で提供してもらう。テキスト作りや講師は自らが担う。無料講座を実現した。

 きっかけは、母親が1人で3兄弟を育てた実体験だ。「母親が家にいてほしいと思ったころもあった。昔は家での仕事は内職などで、子どもを育てるには勤めに出るしかなかった」と振り返る。

 しかし、いまは手に職があれば、働き方は多様化。「育児中は家にいながら働ける方法があってもいいじゃないか。アプリやWEBサービスの作り方が分かって、アイデアがあれば家でも稼げる。パソコン一つでできる」と説明する。

 生活に密着したアプリを開発し続け、技術をそしゃくして初心者や未経験者にも分かりやすく教えられるようなエンジニア兼講師を目指す。「オキナワンドリーム。アプリであれだけの実績を残したと誰かが憧れるような、僕を通して沖縄の新しい面が見てもらえるようになるといいな」。夢は大きい。(東京報道部・上地一姫)=連載・アクロス沖縄(54)

 ぐしけん・まさる 1986年、那覇市生まれ。小禄高校から国際電子ビジネス専門学校を卒業し、沖縄日立ネットワークシステムズに入社。3回転職し、責任も裁量も与えられる会社として2016年に現在のタウンWiFiに勤務。15年にはプログラミング教育関連団体「morei」を立ち上げ、無償で女性を中心にアプリの作り方を教える。

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スイーツを食べながら学ぶ女性限定プログラミング講座を開催する具志堅雅さん=東京都港区虎ノ門

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