“登竜門”のフレッシュオールスター、輝きを放った将来のスター選手たち

©株式会社Creative2

今年のフレッシュオールスターゲームは静岡草薙球場での開催。オリックス・バファローズファームでDJを務める私(ケチャップ)が、今年のフレッシュオールスターゲームでの選手コールを担当させていただくことになった。ウエスタン・リーグの選手には馴染みがあるが、イースタン・リーグの選手の情報には正直乏しい。選手名鑑片手に静岡へと向かった。

楽天・藤平尚真【写真:荒川祐史】

スタジアムDJが見た“若手球宴”、西武鈴木は高卒ルーキーらしからぬ落ち着き

 2017年7月13日。

 今年のフレッシュオールスターゲームは静岡草薙球場での開催。オリックス・バファローズファームでDJを務める私(ケチャップ)が、今年のフレッシュオールスターゲームでの選手コールを担当させていただくことになった。ウエスタン・リーグの選手には馴染みがあるが、イースタン・リーグの選手の情報には正直乏しい。選手名鑑片手に静岡へと向かった。

 18時プレーボールへ向けて、スタンバイが続く中、昼過ぎから静岡市内は激しい雨が降りはじめると、14時には大雨警報が発令され、開催が危ぶまれた。しかし、NPB関係者並びに草薙球場スタッフの皆さんは、『今日のゲームを楽しみに、球場へ来てくださっている全国の野球ファンのために』と、安全面を考慮しながら、開催に向けて準備を続けた。その思いが天に通じ、やがて雨もあがり、10分遅れとなったが、プレーボールを迎えることができた。

 直前までの大雨にも関わらず、静岡県内外から1万72名の野球ファンがスタンドを埋めつくした。スタメン紹介で、特に大きな拍手を集めたのが、地元静岡高校出身の埼玉西武ライオンズ#46鈴木将平選手。

 ライオンズの次世代のリードオフマン候補と期待されるルーキーの鈴木将平選手は、2番・レフトでフル出場。前半戦の記録では、68試合に出場し、打率.242、出塁率はリーグ10位の.341、そしてリーグ6位の11盗塁。高卒ルーキーで前半戦からこれだけゲームに起用されていることからも、チームの期待度が読み取れるし、それに見合った結果も残している。この日は出塁機会がなかったものの、打席では高卒ルーキーかと疑いたくなる落ち着いた雰囲気。パ・リーグを代表するリードオフマンへ、どのような成長を見せてくれるのか楽しみである。

驚かされた楽天藤平のインタビュー対応

 53回目にして初めてスコアレスドローに終わった今年のフレッシュオールスターゲーム。優秀選手賞に選ばれたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスのこちらも高卒ルーキー♯19藤平尚真投手。

 横浜高校時代から甲子園出場、U18日本代表に選出されるなど注目を浴び、ドラフト1位指名を受け入団。実は4月に仙台で、平石楽天イーグルスファーム監督に偶然出会い、若い選手に楽しみな存在が多く、特に藤平投手の能力の高さに、将来が楽しみだという話をうかがった。その言葉通り、藤平投手は交流戦で早々と1軍デビューを果たしていた。それだけに、彼の投球を個人的に楽しみにしていた。

 2回表からマウンドに上がった藤平投手は、ウエスタン選抜の5番・6番から連続で空振り三振を奪う。そして次のバッターに対しては、明らかにピッチングのギアを上げた。キャッチャーミットを突き上げるホップしたボールの唸りは増し、球場にいた者みんなが藤平投手の3者連続奪三振を狙いにいく気持ちの強さを感じただろう。球場中の空気をマウンドの若き右腕が支配した。結果は3者連続とはならなかったが、1イニングをキッチリ3人で抑えた。

 私が驚かされたのは、藤平投手のピッチングはもちろんのこと、試合後の活躍選手へのインタビューの受け答え。私は普段から、選手のヒーローインタビューのインタビューアーなども務めさせていただいている。ルーキーであれほどまでに堂々と、立派に自分の思いをしっかりとメディアやお客さんの前で話せる選手はそういない。ましてや、高卒1年目のルーキーである。今までの私の経験では、高卒選手より、大学卒や社会人チームを経験した選手の方が、人生経験が豊富なのか場慣れしていることが多い。そんな私の経験を一気に覆すかのような素晴らしいインタビューであった。

 これも、私の経験からの話になってしまうのだが、結果を残す選手ほど、取材やインタビューの対応が素晴らしい印象がある。自分の事が、客観的に冷静に理解できているからなのだろうと私は思っている。そんなことをも考えていると、藤平投手がこれからどんな成長曲線を見せてくれるのか注目したい。

ソフトB曽根は最優秀選手賞に「よしっ!」

 そして最優秀選手賞に選ばれたのが、福岡ソフトバンクホークスの4年目の内野手♯69曽根海成選手。曽根選手はウエスタン・リーグのゲームでもよく見てきたが、昨シーズンまでは背番号140の育成選手としてプレーしていた。自慢の足を生かしたスピードあるプレーに、ホークスのレギュラーショート♯2今宮健太選手にも劣らないと評される守備力で今年から支配下登録選手に。ウエスタンの今年の公式戦でも、前半戦ではチーム最多の70試合に出場。1軍昇格を目指している中で、2本のツーベースヒットを放っての最優秀選手賞受賞は、本人の自信になったことは間違いない。

 最優秀選手賞受賞者発表前に、チームマネージャーに『もしかすると選ばれるかもしれないので』とスタンバイを促された時に、『よしっ!』と拳を握りしめ、自分のやってきていることに手ごたえを感じた充実感いっぱいの表情が印象的だった。

 フレッシュオールスターゲームの最優秀選手はスター選手の登竜門と言われているが、育成選手出身初の最優秀選手賞として、今後どんな活躍を見せてくれるのか期待したい。

 最後に、私がDJを務めさせていただいているオリックス・バファローズからは♯66吉田凌投手、♯6宗佑磨選手、♯53吉田雄人選手、♯99杉本裕太郎選手の4選手が出場した。終了後、4選手が揃うベンチ前で、『どうだった?』と尋ねると、『めっちゃ楽しかったです!』と、4選手が口を揃えた。

 本当にいい表情で話してくれたことが本当に嬉しかった。プロは厳しい勝負の世界であるものの、選手にはいっぱい野球を楽しんでもらいたい。

 フレッシュオールスターゲーム、オールスターゲームも終え、いよいよシーズンは後半戦がスタート。是非この夏は1軍の球場はもちろんのこと、次世代のスター選手発掘に、ファームの球場へも観戦に足を運んでいただきたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

「パ・リーグ インサイト」DJケチャップ●文

あなたにおすすめ