人類、涼求め木から地上へ? 京大研究員が仮説

©株式会社京都新聞社

乾期に地上で休憩しているチンパンジー(ギニア・ボッソウ)=竹元研究員提供

 初期の人類が木から下りて地上で生活し始めた理由について、京都大霊長類研究所の竹元博幸研究員が、温度の高い乾期に涼しい地上へ移動したからだったとする仮説を提唱した。気候の異なる2地域に生息する類人猿の観察から推測した。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに18日、発表した。

 アフリカ・エチオピアで見つかった最古級の人類である約440万年前のラミダス猿人は、樹上生活をしつつ、時には二足歩行して森林で生活していたことが近年の研究で分かっている。これらの研究を踏まえ、森林が減少してサバンナで二足で歩き始めたという従来の説の見直しが必要となっていた。

 竹元研究員は、約800万年前に始まった乾燥化が雨期と乾期をもたらした点に着目。森林で暮らす猿人が、乾期では涼しい場所を求めて低い場所へ移り、地上で生活し始めたという仮説を立てた。

 仮説を検証するため、乾期のほとんどないコンゴ共和国・ワンバと約4カ月の乾期のあるギニア・ボッソウで、森林に暮らすチンパンジーとボノボの計10頭を2005~08年に観察した。結果、一年を通じて温度変化の少ないワンバでは、樹上で大半の時間を送ったが、ボッソウでは乾期は半分の時間を地上で過ごし、雨期と比べて4倍弱の長さに増えていた。さらに森林の気温が高い日は、地上で活動する個体が増えることも確認した。

 ラミダス猿人も、乾期のある環境で生活していたとされる。竹元研究員は今回の仮説について「二足歩行を始めた理由にはならない」としつつ、「人類はサバンナができて突然、地上生活に移行したのではなく、森林の中で徐々に地上生活へ移ったのではないか」と話す。

あなたにおすすめ