まるで本物、紙の模型 28日まで秦野

 紙で本物そっくりに作った自動車や鉄道、ロボットなどの精密模型の展示会が秦野市寿町のギャラリーcafe月の輪で開かれている。市内在住のペーパークラフト作家のかじわらみきおさん(62)の初めての個展。約20年のキャリアの中で制作した約50点を展示している。

 ■ペーパークラフト作家 かじわらさん初の個展 1枚の紙を切り、折ったり、のりで貼ったりして組み立てていくペーパークラフト。かじわらさんは岐阜県出身で秦野に住んで35年になる。

 イラストレーターやTシャツのデザイナーなどを経て、20年前、ペーパークラフトの世界へ飛び込んだ。当時、好きだったF1のイベントで、段ボールで作り上げたレーシングカーに大きな衝撃を受けた。

 市販品を買い、腕を磨き、現在ではデザインから組み立て説明書の制作まで1人でこなすプロに。作品はホビー商品として模型店で販売されるほか、自動車やプリンターの販売促進グッズに使われている。

 写真や実物を基にパソコンで基本的な図面を引き、後は手作業で仕上げていく。「パソコンで製図し、組み立ててみても、うまく丸みがでなかったり、貼り合わせられなかったりすることもある」という。一つの作品を制作するのに数カ月かかり、これまでの作品は合計で100点ほどという。

 「仕事に追われて、なかなかできなかった」という待望の個展。10分の1ほどの大きさのF1のレーシングカーやクラシックカーなどを展示している。特に段ボールで制作した人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の初号機は高さ2・4メートルのど迫力だ。かじわらさんは「1枚の紙からここまでできるよ、という世界をお見せしたい」と話す。

 28日まで。入場無料。問い合わせは、ギャラリーcafe月の輪電話0463(71)5375。

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