好評「おかみさんレシピ」

 今春出版された「横須賀佐島 魚行商のおかみさんレシピ」が好評だ。100回の本紙連載記事をまとめたもので、全国から続々と注文が入り、すでに3刷目となった。「日本人ならではの感性の一つ一つ(のレシピ)との出会いを楽しみます」といった声が寄せられている。

 筆者は、佐島に唯一残る魚の行商で、夫と息子とともに家業を切り盛りする福本育代さん(73)=三浦市在住。アジ、イカといったおなじみの魚介類から、高級食材の伊勢エビ、アワビ、お目に掛かる機会の少ないホウボウ、マンボウなどを素材に、口頭で顧客に伝えていた調理方法やノウハウをつづっている。

 魚食離れを防ぐために趣向を凝らし、タチウオのピザ風、アジのワンタン皮包み揚げ、カツオのユッケ風など、簡単にできる独創的な料理も紹介。書籍化にあたり、関東学院大学が執筆した栄養学上の効果に関するコラムを加えた。

 5月に本紙とカナロコで出版を紹介すると、九州や中部地方からも注文が入った。6月中旬にTBSテレビで福本さんの闘病体験に基づく魚食への思いも含めて紹介されると、「おかみさんレシピに感動! 私もレパートリーを増やしたい」などと注文が殺到した。

 購入層は、主婦や釣り好きから飲食店の経営者など多岐にわたる。かつて横須賀に居住していた人から「神奈川県の食の宝庫が懐かしい」との声も上がっている。

 A5判ヨコ、フルカラー116ページで、1620円(税込み)。問い合わせは神奈川新聞社出版メディア部電話045(227)0850。

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