相模原殺傷事件1年 津久井やまゆり園に献花台 関係者ら19人の冥福祈る

 障害者ら45人が殺傷された相模原殺傷事件から1年を迎えた26日、現場となった県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)には、朝から園関係者や地域住民ら大勢の人たちが献花に訪れ、犠牲になった19人の冥福を祈った。「絶対に許すことはできない」「差別のない社会に」…。理不尽な凶行がもたらした衝撃の大きさを振り返り、悲しみを胸に刻んだ。

 どんよりとした雨雲に覆われ、時折激しい雨に見舞われた津久井地域。園内に設けられた献花台には、障害者の手を引いた母親や園にゆかりのある人たち、近所の住民らが相次いで花を手向け、静かに手を合わせた。園に短期入所していた次男の母親(60)は「知り合いが3人亡くなり、悔しい」と声を震わせ、「障害者への差別がある社会はこの1年、何も変わっていない。役に立たない人でも支え合える社会になってほしい」と訴えた。

 県職員らと黙とうし、ユリの花を手向けた入倉かおる園長は「あの日、短い時間で命を奪われ、守ってあげることができなかった。無念な思いで天国に召されたと思うと本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と涙を浮かべ、元職員の植松聖被告に対しては、「やってしまったことの重大さを直視できない弱さがあると思う」と語り、今後も入所者や家族に寄り添っていく考えを示した。

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