ラーメンを世界に  新横浜ラー博、23年欧州進出 外国人誘客へ展示刷新

 新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区)が欧州進出の照準を2023年と定め、外国人の誘客に注力している。今月、実施した展示ギャラリーの刷新では英語表記を充実するなど外国人客へのアピールを強化。19年ラグビー・ワールドカップ決勝、20年東京五輪・パラリンピックと、横浜での世界的イベントが迫る中、ラーメンを海外の人たちにも広く発信、欧州進出に向け、足場を固める考えだ。

 通称・ラー博は、全国のラーメン店を集めたフードアミューズメントパークとして1994年3月に開館した。日本食、とりわけ大衆食の一つであるラーメンが、海外で注目を集めるのを背景に、外国人客は微増傾向にある。

 2016年6月からの1年間は約12万人。全体の14%を占めた。最近は特に、米国、カナダ、フランスといった欧米諸国が目立つという。

 「What is Ramen?(ラーメンとは?)」−。リニューアルした展示ギャラリーでは、そんな表現が目に飛び込む。

 「実は日本人よりも外国人のお客さまの方が、ラーメンの歴史に対する関心が高い」と担当者。室町時代に日本で最初の中華麺とみられる「経帯麺」が食べられていた事実や、ラーメンと中国の麺料理との違いなどを、パネルで分かりやすく紹介。すべて日本語と英語を併記した。訪れた外国人客から口コミなどで広がり、ラー博の認知度が高まることを期待しているという。

 海外進出はずばり、ラーメンのさらなる普及が狙いだ。欧州を選んだのは、米国以上に人口や観光客の数が多く、食への関心も高いからだ。国については現在調査中で、来年中には結論を出す方針。

 ラー博の岩岡洋志代表は「海外の方々に、ラーメンを通して日本の食の魅力を知っていただくとともに、新横浜という名前を世界に発信していきたい」と意気込んでいる。

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