日産4〜6月期・増収減益 販売好調も原材料費増

 日産自動車(横浜市西区)が27日発表した2017年4〜6月期連結決算は増収減益だった。売上高は国内販売の好調をはじめグローバルで販売台数を伸ばした結果、前年同期比4・0%増の2兆7604億円。一方で、原材料費の高騰や販売費用の増加、為替変動の悪影響などで、営業利益は12・8%減の1533億円だった。経常利益は4・4%減の1896億円、純利益は1・1%減の1349億円。

 17年4〜6月期の世界販売台数は、前年同期比5%増の135万1千台で、4〜6月期としては過去最高を記録。市場占有率は0・2ポイント増の5・8%だった。地域別では、前年同期に三菱自動車の燃費不正問題の影響で苦戦を強いられた国内販売が45・6%増の13万1千台に回復。新たなパワートレインを搭載したコンパクトカー「ノート」や、自動運転技術を導入したミニバン「セレナ」の好調がけん引した。全体需要が減少した米国でも1・2%増の40万3千台に伸ばし、中国でも5・3%増の31万4千台だった。

 通期の売上高11兆8千億円、営業利益6850億円という予想は据え置いた。同日、横浜市の本社で会見した田川丈二常務執行役員は「好調な国内販売と継続的なコスト効率化が米国市場の鈍化などのマイナス要因を相殺し、想定通りの満足いく結果だった」と総括。今後に関し「新型車の好調は心強い限り」と述べ、国内で9月発表予定の電気自動車・新型リーフや米国、中国で投入間もない新型車の躍進を念頭に「複数の重要市場で販売台数が伸びる見通しだ」とした。

© 株式会社神奈川新聞社