期日前、”走る”投票箱 箱根町議選、山間部などを回るワゴン車導入へ

 9月に実施される箱根町議選(同19日告示、同24日投開票)の期日前投票で、同町選挙管理委員会が、記載台と投票箱を備えたワゴン車で町内を巡る「移動期日前投票所」を導入する。3人に1人が高齢者の町で、低迷する投票率を少しでも回復させるため、島根県浜田市が全国に先駆けて考案した取り組みを県内で初めて採用。期日前投票期間中の2日間、山間部など町内3カ所を回って投票を受け付ける。

 町選管によると、町の公用車1台を使用。同22、23の両日、山崎集会所(同町湯本)、元箱根集会所(同町元箱根)、仙石原公民館(同町仙石原)の各駐車場を巡回する。

 それぞれ1時間から1時間半ほど滞在する予定。有権者は自宅に郵送される入場整理券を持参し、車外で投票用紙を受け取って1人ずつ車内で投票する。

 同町議選の投票率は1977年の90・9%をピークに徐々に低下。2013年の前回は62・36%と過去最低を更新した。一方、町役場まで遠い山崎地区や、有権者が多い山間部の仙石原地区の住民から、近くに投票所や期日前投票所の設置を求める声が以前から寄せられていたという。

 そこで町選管は、箱根と同様に山間部を多く抱える浜田市が、昨夏の参院選で全国で初めて導入した「移動期日前投票所」を取り入れることを決め、芦ノ湖周辺の元箱根地区を加えた3カ所を選定した。

 支援者らに広めてもらうため、町選管は4日に行われた立候補予定者向けの事前説明会で、出席した15陣営に説明。町選管は「不具合などが起きない限り、今後の選挙でも継続していきたい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社