【リポート】辺野古から

海に燃料廃棄か、船員証言で捜査

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沖縄県名護市辺野古の沖合で警備するマリンセキュリティーの警備艇。海への燃料廃棄を証言した元船員が乗っていた警備艇とは別=2月
警備艇内での暴言やいじめについて沖縄労働局に指導を要請した元船員(手前)=7月27日、那覇市

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設作業が進む名護市辺野古の沖合で燃料を廃棄したと海上警備艇の元船員が証言し、中城海上保安部(沖縄市)が7月に捜査を始めた。事実であれば、移設に際し「環境に最大限配慮する」とした政府の方針に反する。

 証言したのは、沖縄市の警備会社「マリンセキュリティー」で働いていた男性(46)。同社は、防衛省沖縄防衛局の発注を受けた親会社「ライジングサンセキュリティーサービス」(東京都)の委託を受け、移設反対派が船やカヌーで工事海域に近づかないよう警備している。

 男性によると、さびたタンクから漏れた燃料を船長の指示によりポンプで海に捨てさせられた。廃棄は少なくとも2月から4月ごろまでに計10回に上り、多いときには100リットル程度あったという。

 男性は7月20日、那覇市の第11管区海上保安本部を訪れ、実態を告発し厳正な捜査を求めた。

 辺野古が面する大浦湾には国内最大規模のアオサンゴの群落があり、絶滅危惧種262種を含む5800種以上の生物が確認されている。菅義偉官房長官ら政府側は繰り返し「自然や生活環境に最大限配慮し、工事を進める」と述べてきた。

 男性に同行した赤嶺政賢衆院議員は、廃棄が事実ならば海洋汚染防止法に違反すると指摘し「政府が公言したことと全く逆の行為だ」と批判した。

 これに先立ち男性は6月27日、沖縄防衛局を訪れ、燃料廃棄の実態を説明。このほか「警備艇では暴言やいじめは日常的」などとする複数の船員の告発文を示した。中嶋浩一郎局長は「再委託先なので、よく話を聞きたい」と応じた。暴言などについて男性は7月27日、沖縄労働局に指導を要請した。

 マリンセキュリティーは昨年5月、従業員に残業代を支払っていないとして沖縄労働局から是正勧告を受けている。

 燃料廃棄について同社に取材を申し込んだところ、「海保が捜査中なので、何も話せない」との回答だった。(共同通信=那覇支局・沢田和樹)

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