心臓移植実現の力に 横須賀、高校生ら慈善ミュージカル

 米国での心臓移植を希望する岡崎雫さん(7)=横須賀市=の力になろうと、地元の高校生や大学生らでつくる「劇団☆叶夢here(かむひあ)」が20日、市立横須賀総合高校(同市久里浜)でチャリティーミュージカルを開く。劇団の立ち上げに尽力した父親の俊哉さん(34)への恩返しも込めて、「雫ちゃんという女の子を一人でも多くの人に知ってもらい、支援の輪を広げたい」と稽古に汗を流している。

 雫さんは、市立森崎小学校の2年生。昨年に難病の「左室心筋緻密化障害」と診断され、入院生活を続けている。

 心臓移植以外に助かる道はないといい、一刻も早い手術の実現を目指して、渡米を決断。7月に両親や知人らが「しずくちゃんを救う会」を発足し、約3億円を目標に募金活動を行っている。

 同劇団は、衣笠コミュニティセンター(同市公郷町)の若い世代向けの講座として2015年夏に発足。活動を支える俊哉さんの長女・雫さんの話を知ったメンバーが「自分たちに何かできないか」と、チャリティーミュージカルを企画した。高校、大学生を中心に約20人が出演する。

 演目は、オリジナル演劇の「アスパラガス−今でなければ−」。感謝の気持ちを忘れた高校生と、その気持ちを思い出させたい神様の物語で、これまでに2回上演してきたが、今回は命について感じられるようにアレンジを加えた。公演リーダーで高校3年の柴田鴻洋さん(18)は「雫ちゃんと似た境遇の人の本を読んだりして理解を深めて、命の大切さが伝わる役作りがしたい」と話している。

 入場無料。午後7時開演。当日はメンバーが会場で募金活動を行う。問い合わせは「救う会」の池井将代表電話080(6137)2247。

© 株式会社神奈川新聞社