渡独の関根貴大から溢れ出た“レッズ愛”「このクラブで人生の半分くらいを過ごしてきて…」

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[J1リーグ第21節]甲府0-1浦和/8月9日/中銀スタ
 
「最後の試合ということで、すごく気持ちが入っていたのか、ちょっと(その気持ちが)かかり過ぎた部分もあったかもしれない。でも、それが彼の持ち味であり、アグレッシブな良い面だと思いますので、そういうのはあちら(ドイツ)に行っても出してもらいたい。あとは、もう少し冷静にゲームを運ぶといった部分も学べると思う」
 
 浦和でのラストマッチとなった関根貴大を堀孝史監督はこう評した。たしかに、この日の関根は不用意な警告を受けるだけでなく、相手FWにボールをかっさらわれるなど、どこか精彩を欠いていた印象が残る。試合後、関根本人もしみじみと振り返った。
 
「(浦和で最後の試合という)実感はあんまりなかったが、徐々にですよね。後半始まって、もう終わっちゃうんだって思ったら、ちょっと焦っちゃって」
 
 自らの出来には当然、悔いが残るだろうが、その表情はスッキリしていた。
 
「個人的には悔いが残るゲームでしたけど、失点0で抑えられたことは良かった。試合が始まる前に堀さんも『送り出してやろう』ということを言ってくれたし、チームとして最後に勝てたので良かったです」
 
 不振に喘いでいたこともあり、チームが勝てたことがなにより良かったようだ。やはりアカデミーの時から数えて約10年過ごした心のクラブへの愛は計り知れないものがある。
 
「このクラブで人生の半分くらい過ごしてきて、サッカー選手としてもそうですが、ひとりの人間としても多くのものを学べた。ここまで成長できたのも日本一のサポーターがいる前でプレーできたおかげ。育ててくれた浦和には感謝しかない。あっち(ドイツ)に行って、自分が活躍することによって、恩返しができると信じている」
 
 ドイツでの活躍を誓う関根は、そのイメージも膨らませた。
 
「海外でプレーすることはひとつの目標だった。いま、その挑戦をできる。そこで、ドイツ1部に上がって、さらにステップアップをしたい。自分の持っているものを出して、どれだけ世界でやれるかを試したいと思う。なかなか良い状況でボールをもらえることが少なくなる激しさで、どれだけ通用するのか。個の能力を磨いて、タフに戦える選手になりたい。楽しみなことが多いですね」
 
 新天地のインゴルシュタットのユニホームは赤。「縁を感じる」と話す関根は“レッズ愛”を改めて強調した。
 
「(プロとしての3年半は)あっという間だった。ホントに日々成長できる環境があった。日本に帰ってくるとしたらこのクラブしかない。ここで育てられてきたので、戻ってくる時には、もっと成長した姿を見せれたら良いと思います」
 
 最後まで、言葉の端々には浦和への感謝の気持ちが滲み出ていた。「恩返し」となるドイツでの活躍には、彼を見守ってきた誰もが期待していることだろう。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

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