お金を貯めてるけどストレスも「貯めてる」人の実例3

お金を貯めてはいるけど、実は「ストレス」も「貯めて」しまってはいませんか? 私が取材を重ねていると、貯蓄はあるけどあまり楽しくなさそうな方がいるのです。そんな実例を3つ紹介しながら、解決策について考えてみました!

貯金と同時に、ストレスを「貯め」ちゃうことに注意!

「手取り月収は少ないけど、この1年で100万円貯まった」「もう500万円に到達した」「がんばって、1000万円になった」……取材をしていると、たくさんの貯蓄のツワモノさんに出会います。そのがんばりには、もう感服しきりなのですが……ときどき「生活があまり楽しくなさそうな人」もいるのです。お金だけでなく、ストレスも「貯めて」いて、幸せではなさそう……。果たして、それはお金を貯める目的に合っているのでしょうか。

そこで、お金も貯めつつストレスも「貯めて」しまっている例を3つ紹介。解決策もお伝えします!

「人に会うとお金がかかるので、自宅にこもります」なAさん(27歳・女性)

人に会ってご飯を食べたり、お茶をしたり、一緒に映画やライブ、旅行などに行ったりするとお金がかかるもの。500万円の貯蓄があるAさんは、「せっかく貯めたお金を使ってしまうのがもったいない」と、人と会うことをできるだけ避けているそう。

平日はお弁当を持っていって自分の机でランチを食べ、会社が終わったらすぐに一人暮らしの家に帰って自宅で夕飯。週末は自宅で過ごすようにしているといいます。そんな話をしているうちに、「ときどき無性に人に会いたくなるけど、人に会うとお金がかかるから我慢してて……。あ、私、全然遊んでないですね」とご自分で気付いた様子でした。

★解決案★

一生懸命に貯蓄している人は、「我慢すれば使わずに済むお金」に敏感になり、むやみにセーブしてしまいがちです。でも、考えてみましょう。そもそもお金を貯める目的は、「楽しい人生にするため」ではないでしょうか。人と会いたくないのなら、会わなくてもいいと思いますが、人と会いたいのに「お金がかかるから避けている」のなら、使いすぎない程度にお金を使ってもいいと思います。

そこで、「1週間あたりに使っていいお金は5000円」などと、金額を決めてみてはいかがでしょうか。お弁当づくりは素晴らしいので続けるとして、平日仕事帰りに友達とご飯を食べて1800円、週末に友達と映画を見にいって、お茶をして3000円…などと、合計金額を考えていきましょう。これなら、予算オーバーもないので怖くありません。週5000円なら、1カ月あたりの支出は2万円アップですが、普段貯蓄をしっかりできている人なら大丈夫。会いたい人に会って「人生を楽しむためのお金」と考えましょう。

「洋服はアウトレットでしか買わない」なBさん(25歳・女性)

Bさんはファッションが大好き。でも、デパートで買うと洋服は高いし、300万円の貯蓄を減らしたくないし、今の貯蓄ペースを崩したくないから、なるべくアウトレットで買っているのだそうです。ただ、遠くのアウトレットまで高速バスに乗っていくことが多く、「1日がかりなんです」と笑います。

「アウトレットは、行ってみるまでどんなものがあるかがわからなくて、欲しいものがない場合も。でも、せっかく交通費払って時間かけてきたのに手ぶらで帰るのはもったいないから、何着か買ってしまいます。1着が安いから、つい手に取っちゃって……」とのこと。家に帰って手持ちの服とあわせてみると、似たような洋服だったり、冷静になってみるとあまり似合わなかったり。「買ったけど着ていない」というものが何着もあるのだそうです。

★解決案★

アウトレットは郊外にあることが多く、旅行気分で行く方も多いですね。交通費と時間をかけてやってきたので、Bさんのように「せっかく来たから買おう」と、あまり欲しくないものも買ってしまいがちです。もし、「欲しいものがなかったら、買わない」と考えられる人ならいいですが、Bさんは違うようです。それなら、アウトレットにわざわざ行かずに、最初から好きなブランドのショップで買う方が、貯蓄も満足度もアップするのではないでしょうか。

出費が増えそうで不安なら、年間の洋服代の予算を考えておけば安心です。年間10万円(または20万円、30万円……)などと決めておき、そのなかで洋服の購入をやりくりしてみましょう。じっくり考えて買うようになれば、たんすのこやし服を買わないようになり、その分お金が浮きます。ハイブランドの洋服を買えるようになり、「好きな洋服を買えない」というストレスも軽減するはずですよ!

「食材のメインは豆腐かモヤシ、あとは見切り品です」なCさん(23歳・女性)

一人暮らしながら年間に100万円も貯蓄するCさんは、自炊をがんばっています。「メインは豆腐かモヤシです。安いですから。あとは見切り品を必ず狙います」とのこと。でも、同じ食材ばかりで飽きてしまって、他のものもいろいろ買いたいな……と思いながら、スーパーでモヤシか豆腐が目に入ると「あっちの方が安いし」と、牛肉や魚を手にするのをやめ、豆腐を買うのだそう。

「本当は食べるのが好きだからいろいろ買いたいけど、年間100万円貯めているのはキープしたいんですよね……」

★解決案★

Cさんは、まず、食材がかなり偏っていることが心配です。今後体調を崩してしまったら、節約や貯蓄どころではありません。せっかく今健康なので、それをキープしていきたいですよね。また、食べることが大好きなら、なおさらいろいろな料理にチャレンジしたいはず。豆腐やもやしなどはお手頃価格ですし、もちろんいいと思いますが、飽きるほど続けているとストレスが「貯まって」しまいます。

例えばこんなふうに変えてみてはいかがでしょうか。一人暮らしで年間100万円貯めているのはすごい!ですが、それを80万円程度にダウンして、残りの20万円を年間の食費アップに使ってみるのです。1カ月当たり1万6000円程度です。それなら、好きな食材も買えますし、ストレスからも解放されるはず。なにより栄養が取れれば、健康を維持でき、楽しい毎日を過ごせると思います。

また、他の項目(通信費、被服費、外食費、保険代等)もしっかり見直してみると、年間20万円程度は浮くかもしれません。今まで通り年間100万円の貯蓄のペースを守りながら、好きなものを食べられるようになれば、さらに幸せですよね!

いかがでしたでしょうか。きちんと貯蓄できている人こそ、「貯蓄しなきゃ」という意識が高く、無理をして出費を押さえこんでしまいがちです。貯蓄と自分の幸せ、両方のバランスがうまく取れているかを、ときどき振り返ってみてくださいね!

(文:西山 美紀(マネーガイド))

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