フェリーで北海道へ、夜の港に行列

苫小牧行きフェリーへの乗船を待つオートバイの列。左上は船内に貨物を積み卸しするトラック=9日午後11時20分、敦賀港フェリーターミナル

 敦賀港鞠山北地区(福井県)にあるフェリーターミナル。日中静かな場所は毎夜、苫小牧東港(北海道)と結ぶ直通便フェリーの入港を合図に、人や車、貨物でにぎわう。お盆前、ターミナルは道内旅行に行く家族連れや帰省客であふれかえっていた。

 新日本海フェリーは敦賀―苫小牧間を週7便、敦賀―新潟―秋田―苫小牧間を週1便運航。苫小牧との直通便は未明の午前0時半に敦賀を出港、約20時間の船旅を経て午後8時半に到着する。

 フェリーは人と車、貨物を同時に大量に運ぶのが特徴だ。昨年の利用実績は乗客約7万5千人、乗用車2万3千台、貨物トラック10万2千台。関西や中京方面の客が多く、貨物は苫小牧行きが日用雑貨全般、敦賀行きは農産品などを運ぶ。

 同社敦賀支店の寺田光徳支店長(53)は「敦賀から苫小牧までの海上距離は約950キロで、東京―苫小牧間の千キロよりも近い」。日本海側の距離の短さ、関西や中京からのアクセスの良さが敦賀の優位性という。

 苫小牧との直通便フェリーは「すずらん」と「すいせん」。全長224メートルは国内最大級、時速58キロも最速クラスだ。旅客定員613人、トラック158台、乗用車58台を積載できる。

 船内に入ると、まさに「海上のホテル」。吹き抜けのエントランスホールはおしゃれで、スイートなど豪華な客室もある。大浴場や映画館、レストラン、ペットルームまで用意されている。

 午後8時半ごろ、すいせんが岸壁に到着すると、ターミナル周辺は慌ただしく動きだした。苫小牧からの乗客が降り、船の後部ではトレーラーが貨物の積み降ろしで絶え間なく行き交う。

 同11時の乗船前にはターミナルに人があふれ、駐車場も乗船を待つオートバイや乗用車でいっぱいになっていた。お盆前の13日までは苫小牧行きが予約で満室という。

 飼い犬を連れていた愛知県知多市の夫婦は「船に車を載せて北海道は車中泊で回る予定。フェリーは乗り換えなどがなくて、ゆっくりできるのがいい」と笑顔だった。

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