広島の体験、放射能と核の恐怖訴え 京都で被爆男性講演

広島で被爆した経験を語る米澤さん(京都市下京区、ひと・まち交流館京都)

 広島市で米軍の原爆投下で被爆した米澤鐵志さん(83)=京都府宇治市=が12日、京都市下京区のひと・まち交流館京都で講演した。広島の無残な光景を目の当たりにした米澤さんは「核のない社会をつくらなければならない」と原爆の恐ろしさと平和の大切さを訴えた。

■母は9月に、母乳を飲んだ妹も死んだ

 講演会は市民団体アジェンダ・プロジェクト京都が開催中の憲法を考えるパネル展の一環。大学生ら約20人が参加した。

 米澤さんは、国民学校5年生だった1945年8月6日、疎開先の広島市郊外から中心部に出た際に、母親と一緒に満員の路面電車内で被爆した。

 その瞬間を「床にたたきつけられると、しばらくしてたくさんの血が流れてきた。電車の外に出ると真っ暗で、視界が開けると広島の街ががれきの山になっていた」と語った。避難していく中で「河原では皮膚が垂れ下がった中学生たちが川の水を飲んでいたが、力なく次々と流された。川には多くの死体が並んでいた」と振り返った。

 その後、米澤さんは髪の毛が抜け、激しい吐き気に襲われた。「同じ症状だった母親は9月に亡くなり、その母乳を飲んだ妹も死んだ。みんなにはいま一度放射能について真剣に考えてほしい」と求めた。

 パネル展は13日まで。午前10時~午後4時。13日午後1時半からは伏見区の村上敏明さんが旧満州からの引き揚げ体験を語る講演がある。無料。

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