河北春秋(8/13):津波は由比ガ浜の堤防を越え、鶴岡八幡宮の…

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津波は由比ガ浜の堤防を越え、鶴岡八幡宮の鳥居に押し寄せる。鎌倉駅周辺の商店街は濁流にのみ込まれた-。鎌倉市が昨年4月にホームページで公表した津波のシミュレーション動画を見た▼実際の街並みに津波を合成している。サイレンの音も入り、かなり生々しい。最大14.5メートルの津波が8分で到達するとの想定。「背筋が凍る」などと反響を呼び、再生回数は33万に上るという▼「観光地のイメージを損ねると批判もあったのでは?」と担当者に聞くと、「観光地だからこそ、リスクは包み隠さず伝えたい」ときっぱり。「大切なのは津波の被害を防ぐことよりも、高台に逃げること。東日本大震災の教訓に学びました」▼7月下旬、宮城県七ケ浜町の菖蒲田海水浴場であった行事に、松尾崇鎌倉市長が駆け付けた。市民団体が復興支援を続けているのが縁で、両市町は「パートナーシティ提携」を結ぶ。動画をはじめとした鎌倉の防災対策は、被災地を歩き、被災者と対話した経験に基づく▼鎌倉では「オレンジフラッグ」の普及が進む。津波の恐れがある時、視認性の高いオレンジ色の旗を海岸に掲げて避難を促す。2011年に地元のマリンスポーツ連盟が提案した。「今度は自分たちが学ぶ番」と七ケ浜の人たちが導入を話し合っている。(2017.8.13)

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