【コラム・天風録】お盆玉

 俳句と孫は相性が悪いらしい。祖父母にとって孫は目の中に入れても痛くない存在である。詩情よりも人情が勝り、ただかわいいだけで完結してしまいがちだ。孫を詠んだ俳句に名句なしとの教えもあるという▲近所の郵便局でお年玉ならぬ「お盆玉」と書かれたぽち袋が売られていた。お盆に帰省する孫らに渡す小遣いを入れるそうだ。「孫が喜ぶなら」との気持ちを取り込みたいとの思惑も透けるが、売れ行きはまずまずらしい。夏の定番になるかどうか▲帰省ラッシュはきのうまでがピークだった。世代を超えて久々に顔をそろえた家族も多かろう。受け入れた側の祖父母をターゲットにした商戦も年々過熱している。その一つにランドセル商戦がある▲3世代そろって店に出掛け、祖父母が孫に買って贈るのが当たり前になったそうだ。高めであっても、多少の支出はためらわない。個人消費は伸び悩むが、祖父母の孫消費は別物らしい▲俳句の世界では、つかず離れずとよくいわれる。言葉同士の距離感が大きすぎても、近すぎても響き合わないという意だ。孫が帰ってきた人は、あまりべたべたとせず、距離を保って家族のつながりを見つめ直す機会にしては。

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